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デジタルならではの「容赦なさ」が楽しい――ペンタックス「K-5」(1/5 ページ)

» 2010年12月15日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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 ニコンとキヤノンという2大巨頭に隠れて目立たない印象のあるペンタックスだけれども、ここ2年ほど、何か吹っ切れたごとく、意欲的で面白い製品を立て続けにリリースしている。それがエントリー向けの超カラバリモデル「K-x」や「K-r」だったり、機能充実しすぎな中級モデル「K-7」だったりしたわけだ。

 新登場した「K-5」は評判がよかったK-7(レビュー)の上位モデル。もうデジタル一眼レフとしては、あれこれ容赦なく詰め込んでて、とにかく面白い。その容赦ない感じがK-5のウリなのだと思う。

photo 「K-5」。レンズは「smc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6 ED AL[IF]DC WR]」(名前が長い!)。ストラップをつけるリング、シンクロターミナル、RAWボタン、その他もろもろ、このクラスとしてはディテールにまで気を配った作りだ。ボディもぎゅっと締まったストイックな感じ

快適なボタン配置と操作系

  K-5のボディは質実剛健で堅牢感のある防じん防滴仕様。グリップもしっかりしていて構えたときの質感やストイックで静かなシャッター音も「これぞ中級機」という信頼感がある。特にシャッター音が静かなのは特筆すべきかも。ボディは約660グラムと内容を考えるとそう重くない。ファインダーも視野率約100%でなかなか見やすい。

photo 正面から。右にあるのはレンズ。四角いペンタ部と握りやすい用凹凸がついたグリップ部が特徴
photo 背面から。十字キーにはそれぞれ機能が割り当てられている。グリーンボタンを使いこなすのがコツ。再生系は左上にまとめられている。液晶モニタには基本情報画面
photophoto グリップ部。電源スイッチはシャッター周りにあってオンオフしやすい。前ダイヤルはいい感じに傾斜させていて人差し指ですぐ回せる。ISO感度と露出補正という露出に関連するボタンが集中しているのもよし(写真=左)、上から操作部を。液晶パネルは表示内容が豊富で大きくて見やすく、中級機としてはかなりのもの。左にモードダイヤルがある。ISO感度優先AEなどペンタックス独自のモードも。後ろダイヤルは回しやすいよう少し飛び出ている(写真=右)

 撮像素子は1620万画素のAPS-Cサイズ CMOSセンサーで、独自の撮像素子シフト式手ブレ補正機構も備えている。容赦ないのはまずここ。K-7から採用されているが、撮像素子をカメラ内部で微妙に動かせる仕組みを利用して、カメラを固定したまま構図を微調整したり、わずかな傾きなら撮像素子を傾けることで自動的に水平に補正する機構を搭載しているのだ。内蔵の電子水準器も左右に加えて上下方向の傾きも検知できるので、しっかり真正面から撮りたいときに使える。

 ISO感度は100〜12800だが、拡張ISO感度をオンにすると80〜51200まで感度を広げられる。ISO51200である。そして容赦ないのがISOオート。ISOオート時に取りうる感度の上限も51200まで設定できるのだ。ISOオートの上がり方も3段階に設定できるので、「FAST」にするとシャッタースピードを速めに維持しながらぐんぐんISO感度を上げてくれる。これはすばらしい。

photophoto INFOボタンを押すと各種設定画面になる。十字キーとOKキー(あるいは後ろダイヤル)で設定を変更する。ハイライト補正、デジタルフィルタ、HDR、ディストーション補正などたいていの機能はここでセットできる(写真=左)、ISOオート時の範囲(前ダイヤルと後ろダイヤルでセット)やISO感度アップポイントの調整もINFO画面から行えて便利(写真=右)
photo 左がISO感度アップポイント「SLOW」、右が「FAST」。同じシーンでISOオートで撮っても、SLOWだと1/60秒、FASTだと1/250秒(その分感度が上がる)と違いが出る。
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