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デジタルならではの「容赦なさ」が楽しい――ペンタックス「K-5」(2/5 ページ)

» 2010年12月15日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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ISO51200の高感度性能

 ISO感度は上限51200まで増感できるが、実際の高感度性能はどうか。まずはISO感度別作例を。ISO800から1段ずつ上げながらISO51200まで撮っている。ノイズ低減処理はオート。

photophotophoto 左からISO800、1600、3200
photophoto 左からISO6400、12800
photophoto 左からISO25600、51200

 次に同じ中級機の新製品でスペック的に近い撮像素子を採用するニコンのD7000(APS-Cサイズ、有効1620万画素)とISO12800で撮り比べてみた。

photo 左がK-5。右がD7000。K-5のノイズ低減はオート。D7000は標準でかけてある

 大きな差はないが、ノイズ低減処理のかけかたに違いがあり、解像感はK-5の方があるが、フラットな面のノイズはD7000の方が目立たない感じ。ISO51200まで上げるとさすがにきついが、そのおかげで撮れる写真というのもあるわけで、歓迎したい。詳細は作例を。

 AFは11点と中級機としては多くないが、その分中央の9点がクロスセンサーになっている。AF速度はレンズ駆動用モーター内蔵レンズを使えばかなり快適で、スッと合う。

 特筆すべきは操作系。シャッタースピードと絞り値とISO感度の3つを自在に組み合わせて露出を決定できる。特にすばらしいのはペンタックスならではのハイパープログラム。

 プログラムAE時でも前後のダイヤルを回すことで絞り値やシャッタースピードを任意の値に変えられるのでだいたいこれで事足りる。さらにISO感度もISOボタン→グリーンボタンでISO AUTOにすぐ切り替わるし、ISO AUTO時でもISO+後ダイヤルですぐマニュアルISO感度に切り替わる。

 ISOボタンと露出補正ボタンの位置もよく、右手親指と人差し指だけで撮影時に必要な操作が気持ちよくできる。これは快感。

photophoto ライブビューも可能。右上にあるバーは水準器(写真=左)、ライブビュー時にAFを動作させると一瞬、そこを拡大して見せてくれる機能はいい。ただ、ライブビュー時のAFはちょっと合いづらいかな(写真=右)

最後の1枚をバッファに保存

 ペンタックスのもうひとつのおもしろさは、デジタルならではの仕上げを細かくカスタマイズできること。

 仕上がり具合を決めるカスタムイメージには、新たに「銀残し」と「リバーサルフィルム」を追加したし、ディストーション補正(これをオンにすると処理に時間がかかるのが難点。4秒ほどかかる)や倍率色収差補正もあるし、ダイナミックレンジの補正はハイライト補正とシャドー補正を別々にかけられる。

 K-7で搭載されたHDRはやっと手持ち撮影に対応。ただけっこうラフに撮っても問題ないがソニー「α55」に比べると、かなりシビア。HDR撮影をするときはできれば三脚、なければ手すりでもなんでもつかってカメラを固定したい。

photo 手持ちでラフにHDRしようとしたら……こんな風にずれちゃいました。きちんと撮るなら三脚が欲しい

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