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「高級コンデジ」の現在地を確認する(前編)レビュー(2/4 ページ)

» 2010年12月20日 11時00分 公開
[小山安博,ITmedia]
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キヤノン「PowerShot G12」

 PowerShot Gシリーズは、同社高級コンパクトの代名詞だ。2000年10月の「G1」から、10代目となる「G12」(「G4」「G8」は欠番)まで代を重ねている。

photophoto 「PowerShot G12」 大型のレンズ、光学ファインダー、前面の電子ダイヤルにしっかりしたグリップというカメラらしいスタイル

 「オーセンティックデザイン」というカメラらしいデザイン、ダイヤカット処理された製品ロゴ、一眼レフのEOSシリーズにも採用されたビーズ入り塗装というフラッグシップらしい外観に、EOSと同じインタフェースを採用しており、同社一眼レフを利用する人にはサブカメラとしても便利そうだ。

 レンズは35ミリ判換算28〜140ミリの光学5倍ズームレンズ。F値はF2.8〜F4.5、非球面レンズ1枚を含む9群11枚構成。光学式手ブレ補正を内蔵する。最短撮影距離は、通常時でワイド端5センチ、マクロで1センチだ。

 液晶サイズは2.8型約46.1万ドットとやや小さめだが、今回の3機種では唯一バリアングル構造を採用しており、ハイアングルやローアングルなど、さまざまなアングルでの撮影がしやすい。液晶を横に開いて回転させる仕組みのため、最初は光軸とのズレが気になる人もいるだろうが、慣れれば縦位置でも横位置でも使いやすく、便利だ。

photophoto 液晶モニタはやや小さめだが、バリアングル液晶で稼働するのは便利

 本体上部にはモードダイヤルとISO感度ダイヤルが2段重ねとなる独特のデザインを採用。露出補正ダイヤルもあり、物理的にダイヤルを回すことで設定ができる。本体前面には電子ダイヤル、背面の十字キー周囲にはコントローラーホイールがあり、シャッタースピード優先AEや絞り優先AEでは電子ダイヤルで数値を変更できる。マニュアル露出では電子ダイヤルでシャッタースピード、コントローラーホイールで絞り値が変更できる。2つのダイヤルを備えているため、素早く設定変更できる。

photophotophoto 本体上部にはダイヤルが3つ。その内ISO感度ダイヤルとモードダイヤルは2段重ね(写真=左)、電子ダイヤルでシャッタースピード、コントローラーホイールで絞り値を変更する。アイコン表示で分かりやすい(写真=中)。電子ダイヤルとコントローラーホイールの設定を入れ替えることもできる(写真=右)

 この電子ダイヤルでの操作は設定の変更が可能で、Mモード時に前面ダイヤルで絞り値を変更したり、前面ダイヤルは使わずにコントローラーホイールだけで絞りとシャッタースピードを変更するといった設定にすることもできる。

 通常の撮影設定の変更には、十字キー中央のFUNC.ボタンを押し、ファンクションメニューを表示する。画面左側に縦に設定項目が並び、その横に選択した項目の詳細設定が表示されるという同社製品おなじみのインタフェースで、ホワイトバランスやマイカラー、ブラケット、連写、フラッシュ発光補正、NDフィルター、画像サイズなどの設定できる。

photophoto 本体背面にはコントローラーホイールと4つのボタン、ショートカットキーを配置(写真=左)。FUNC.ボタンを押すとファンクションメニューが表示される。ホワイトバランスの補正も可能(写真=右)

 十字キーには、上にMF、右にフラッシュ、下にセルフタイマー、左にマクロの各設定が割り当てられている。さらに十字キーの周囲にはAFポイント移動、測光の2つのボタンを配置。本体背面左上にはショートカットキーがあり、i-コントラストやマニュアルホワイトバランス、アスペクト比などを割り当てられる。

photophotophoto ショートカットキーの設定画面(写真=左)。ISO感度オート時にどこまでISO感度を上げるか、より早くISO感度を上げるか、といった設定もできる(写真=中)、マイメニューの設定画面(写真=右)

 MENUボタンを押して表示されるメニュー項目では、「マイメニュー」があり、よく使う設定だけを集めた独自のメニューが作成できるのが特徴。設定を記憶してモードダイヤルで切り替えるカスタムモードも2つ用意されており、これらの機能を使えば素早く設定を切り替えて撮影可能だ。

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