シーンモードにはもうひとつ「連写+合成」技がある。2010年秋モデルで加わった背景をぼかして撮る機能で、ピントがあっているものとわざとボカしたものの2枚を合成することで、背景を大きくぼかした写真を撮るもの。けっこう微妙な機能だが、うまくいくと背景が大きくぼけたそれっぽい写真が撮れる。
連写+合成のおもしろさを知らしめた「スイングパノラマ」には、高画素で撮れるHRモードが追加された(縦位置での撮影のみと成)。
それ以外では、3D撮影機能として1枚の写真から自動的に3D写真を作り出す「3D静止画」機能もついたが、これは3D対応テレビがないと見られないので今回は試してない。動画はフルHD対応で動画撮影中のズーミングもAFも可能だ。
面白いのは「カメラ内ガイド」機能。いわゆるオンラインヘルプ&マニュアルだ。初心者でもマニュアルいらずで使える面白い試みだ。
“サイバーショット”DSC-WX10は、WX1からはじまる「広角で明るいズームレンズ+裏面照射CMOSセンサーならではの撮影技」満載カメラの延長線上にあり、順当な進化を遂げている。特に当初は独立していた機能を「プレミアムおまかせオート」として自動的に働くようにしていったのは万人向けのカメラとしてはいい進化だ。
定評のあるスイングパノラマも少しずつ進化しており、裏面照射CMOSセンサーの高感度さや高速性をもっとも生かしたシリーズといっていい。2010年あたりから流行りはじめた、絵作りで遊ぶ「フィルタ系」には手を出してないのも特徴で、撮影機能の強化に力をいれた形だ。
ボディの質感などにコストダウンを感じることもあるが、コンパクトなボディでこれだけ撮れると使ってて楽しいし、何より、サイバーショットならではの撮影機能を持っているというのは強みだ。惜しむらくは、最短撮影距離だ。
今回のWXシリーズは「カメラ内ガイド」からも分かるように、初心者でも使いこなせるよう工夫されている上に、価格も推定実売価格が3万5000円程度と押さえられている。コストパフォーマンスが高く幅広いシチュエーションで、初心者でも使えるお得感の高い製品であることに間違いはない。明るい広角レンズで風景や室内撮影を楽しみ、望遠側でぐっと遠くのものも撮れるし、暗所にも強い汎用性の高さが魅力である。
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