2月になるとなんとなく花の姿が増え始めて、ああ、春が近づいてきたなあとなるわけである。まだ寒くても、春が見えてきた、って感じで。
今回は特に目立つ花から、菜の花と梅に注目してみた。
春の訪れを代表する花のひとつ、菜の花。あの黄色が青空に映えるのである。ぽつぽつと咲くのではなく、菜の花畑といわれるように「一面に菜の花」的な光景が似合うというもの。
こんな感じ。
一眼レフを持って花を撮るとき、常に意識しなきゃいけないのが、絞りとピント。
まずはピント。ピントの合う範囲(被写界深度)は被写体が近くなるほど狭くなり、また、望遠になればなるほど狭くなるという法則がある上に、花はたいてい立体的なので、ちゃんと合わせたつもりでもほんのちょっとしたことでピントがズレる。
花を撮るときって撮る瞬間に風がふいたとか、シャッターを切る寸前にちょっと手が動いたとか、ブレの原因となる要素はたくさんある。だから撮るときは慎重に。何枚も撮っておくというのも手。三脚があるとなおよし。
これは青空背景の菜の花だったのだが、花って面白いことに背景次第で雰囲気が全然変わる。
背景を他の菜の花で埋めると(つまり同系色で埋める)とほんわりする。
そのかわり微妙な露出や色に神経を使うことになる。アンダー気味で撮ると色が濃く出てクッキリするけどほんわり感が出ないし、オーバー気味で撮ると花びらが白トビしやすくなる(つまり色が抜けちゃう)。日差しを浴びた黄色い花や赤い花は要注意なのだ。
ちなみに背景を暗い色にすると、花の明るい色とのコントラスト差によって、クッキリとした感じになる。
どんな雰囲気で撮りたいかは大事。
さて話を絞り値に戻す。
絞りを開くと前後が大きくボケて、花もディテールがほんわりする。絞るにつれ全体にクッキリしてきて背景もきちんと写り、遠くに山が見えるなあ、菜の花が山の上に咲いているのだなあというのが分かるけど菜の花1本1本がくっきりしすぎていて生々しい感じも強くなる。まあ植物は生々しいものだから生々しくてもいいのだけれども。
で、冒頭の菜の花畑の写真、全体をくっきりさせるとごちゃっとしちゃうし遠くまで菜の花畑が続く様子を出したいので、絞り開放で手前と奥をぼかしている。
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