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「COOLPIX P300」第2回――分かり始めたP300のクセ長期試用リポート

» 2011年04月22日 17時45分 公開
[岡本紳吾,YAMAAN!]

充電器の仕様に驚く

 紆余(うよ)曲折ありながら、結局、衝動買いに近いかたちで購入したニコン「COOLPIX P300」。ネックストラップを使って、文字通り肌身離さず持ち歩いている。ストラップホールは側面中央に1ホールあるタイプなので、手持ちのネックストラップをつけて首に提げて使ってみることにした。カメラ自体の重量はそれほどないので、長時間首に提げていてもあまり苦にはならない。

photo ON/OFFと表記されている電源ボタンは小さめ

 起動の速さが特徴的なP300だが、電源ボタンは軽く押しただけでは起動しないことがある。おそらく誤作動防止のためだと思うが、意識的にしっかりとボタンを押さないとダメなようだ。これは、筆者の指が太いせいなのかもしれない。急いで撮影したいときなどは特に、電源が入らなくて空振りとならないように注意したい。

 既に製品レビュー(レビュー:開放F1.8レンズを誰でも活用できるコンパクト ニコン「COOLPIX P300」)にて言及されているが、P300はバッテリーを本体から取り外して充電するのではなく、USB変換タイプのACアダプターを利用して本体にバッテリーを装着したまま充電する。PCのUSBからでも充電でき、その際には、撮影したデータを読み込みながら同時に充電できる。

photophoto 付属の充電アダプター(写真=左)、PCからのUSB充電も可能(写真=右)

 ただし、USB充電には条件もあるようで、ちょっと古いPCのUSBポートを利用した場合や、USB出力を持つ一部のモバイルバッテリーでは充電状態にならないことがあった。付属するACアダプターの出力が5V550mAであることを考えると、PCがUBSへ供給できる電力の問題だと思われる(マニュアルには「パソコンの仕様、設定または状態によっては、カメラ内のバッテリーを充電できないこともあります」とある)。

シャッタースピードのワナ

 常時持ち歩いて撮影をしていくうち、いくつか気になることがあった。まずRAW撮影に対応していないこと。JPEGだとどうしても撮影後の調整幅が狭くなってしまうので筆者はRAWを多用するのだが、これは仕様なのでしかたない。ここはカメラ本体の性能でカバーしていきたいと考えている。

 もうひとつが、シャッタースピードの上限。撮影モードは当初、絞り優先を使っていたのだが、最低ISO感度が160ということもあり、晴れた日中なと明るい環境ではあっという間にシャッタースピードが上限(F1.8時のシャッタースピード上限は1/1600秒)に達してしまい、露出オーバーになることが多かった。

 あれこれ設定を変えながら撮影を続けてEXIFを見てみると、−1の露出補正をかけた場合でも絞りとシャッタースピードが変わっていない場合があることに気が付いた。これは露出の癖をつかむのにちょっと苦労しそうだ。ただ、雪山の雪景以外で露出が極端に外れるという事はなかった。

 ちなみに筆者は普段、D2Xを雪山に持ち込んで撮影を行っている。その感覚のまま、P300を絞り優先オート/F2.2の設定で撮影したところ、真っ白な写真をたくさん撮るはめになってしまった。シャッタースピード上限に引っかかり、露出オーバーしたからだ。そこに気が付いて、プログラムオートで適正な露出を設定してやれば、きちんと撮影できた。筆者の感覚的にD2Xだと高速シャッターでカバーできていた部分が、そうは行かなかったという例だ。

photophoto 露出オーバーになり雪の部分が白く飛んでしまった(写真=左)、プログラムオートにしたところ雪のディテールもきちんと撮影できた(写真=右)

 裏面照射型センサーメリットは夜間撮影にあると思われる。また、手ブレ補正機構が搭載されているため、ある程度のスローシャッターでは目立った手ブレが起こらないように思える。節電の影響で都内の夜はちょっと暗くなってしまっているが、ISO1600でF1.8開放とした場合のシャッタースピードはおおむね、1/125秒前後でまとまるようだ。

photo 歩きながらなので手ブレが起きている
photo 節電でイルミネーションが消えた渋谷。看板のロゴはかろうじで写っている

  ISO設定は上限を800としたオートで常用している。暗めのシーンでは裏面照射の利点を生かしてISO1600も積極的に活用するようにした。ベース感度がISO160というのは、スタジオなどで使われるネガフィルム(の感度)を思い起こさせる。オートホワイトバランスは屋外では良好な結果が得られたが、屋内、特に複雑な光源下では黄色目に映る事が多かった。

photo 室内でアウトドアジャケットを。止水ジッパーや刺しゅうのディテールが上手に描写されている

 数度の撮影でカメラの癖をだんだんつかめてきたと思う。次回はさらに使い込んだ印象をお届けしたい。

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