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「NEX-5N」第3回――NEX-5Nでイルミネーションをキラキラ撮る方法を考える長期試用リポート

» 2011年12月19日 11時00分 公開
[ITmedia]

 冬の夜に撮りたい被写体といえば、きらびやかなイルミネーション。今シーズンは既に撮影術連載レンズ連載で夜景撮影について取り上げているが、今回は高感度撮影に強いNEX-5Nを使ってのイルミネーション撮影を試してみたい。

photo カメラ「NEX-5N」、レンズ「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」、露出モード マニュアル、1/5秒 F14 ISO1600

 NEX-5Nには被写体や状況を認識をしてくれる全自動の撮影モード「おまかせオート」が用意されており、こちらを使うと夜景ならば夜景とカメラが状況を認識し、設定を整えてくれる。シーンモード(シーンセレクション)には連写合成を行うことで三脚なしでの夜景撮影を可能とした「手持ち夜景」、三脚使用前提の「夜景」も用意されており、設定に頭を悩ますことなく夜でも撮影を楽しめる。

photophotophoto 左から「おまかせオート」、「手持ち夜景」(手持ち撮影)、「夜景」(三脚使用)。いずれも1/100秒 F5.6となったが、ISO感度はおまかせオートと夜景がISO2000、手持ち夜景がISO1250となった。拡大するとよく分かるがISO1200の方がノイズが少ない

 これらの設定は便利だが、露出補正をのぞくほぼすべての撮影設定がフルオートで施されてしまいって変更できない。最近ではイルミネーションの光源に複数色のLED、街灯の明かりは蛍光灯、店頭は白熱灯など、複数種類の光源で明るくなっていることがあり、その場合、オートホワイトバランスでは見た目通りの映りにならないこともある。そうしたときには撮影モードを絞り優先(A)やプログラムオート(P)に変えて、自分の撮りたい感じの色調になるよう調整してみよう。

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photophotophoto ホワイトバランス調整の例。左上からオート、太陽光、日陰、曇天、電球、蛍光灯(温白色)。この場合はオートでほぼ見た目通り

 次はイルミネーションをどれだけ「きらびやかに写すか」を考えたい。撮影術連載「夜景とイルミネーションの関係」でも説明しているが、絞りを絞った方(F値の数字を大きくする)が光源からの光芒(こうぼう)が出て、よりきらびやかな感じになる。

photophoto NEX-5Nの標準ズームレンズ「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」の望遠端の絞り開放であるF5.6とF14の違い。右上のライトに注目
photophoto いささか極端な例だが、F5.6(写真=左)とF32(写真=右)の違い。こちらも「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」の望遠端で撮影。F32のほうがふわりとした柔らかい感じになった

 ただ、絞るとレンズから入る光は少なくなるので、シャッタースピードを長くするかISO感度を上げてやらないと露出アンダーの状態となり画面が真っ暗になってしまう。シャッタースピードを長くする場合にはカメラを固定しないと手ブレの原因となるので、三脚は欠かせないのだが、外出したついでにイルミネーションを撮っていこうというシチュエーションでは三脚を携帯していないこともある。

 そうした際には手すりやベンチでカメラを固定してというのが常とう手段だが、ISO25600までの高感度撮影が可能なNEX-5Nならば、ISO感度を上げることで対応できることもある。さすがにISO25600はノイズ量が多くて画質的にかなり厳しいが、ISO3200ぐらいならば実用に耐える。

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photophoto 絞りをF14に固定してISO感度を上げた。左上から1600/3200/6400/12800/25600

 肝心のF値だが、これはどのくらいの光芒が欲しいかによって変わる(レンズによっても光芒の出方は変わる)。上の例ではF14にしているが、基本的に開けば(F値を小さくする)光芒は小さくなり、絞れ(F値を大きくすれば)ば大きくなる。ただ、夜の展望フロアから道路を見下ろす時など、動いている被写体も加えたいときにはシャッタースピードも重要な要素だ。シャッタースピードが速くなれば動いている被写体は点になり、遅くなれば軌跡が残る。

photo こちらはピクチャーエフェクト「レトロ」の適用例。これはこれで味がある

 できればカメラを三脚に固定し、ISO感度を高めにしたうえで、撮影モードを「M」(マニュアル)として、絞りとシャッタースピードを調整しながら自分好みの夜景を撮影してみてほしい。ISO感度が高くてもノイズの少ないNEX-5Nならば、かなり撮影の幅を広くもてる(F値/シャッタースピードを設定幅が広い)ので、きっと思い通りのイルミネーションをれるはずだ。

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