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今日から始めるミラーレス一眼(1)――サイズも価格も手ごろな5機種を見比べる(1/2 ページ)

» 2012年05月25日 11時40分 公開
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 デジタルカメラの新しいスタンダードとなりつつあるミラーレス一眼。レンズ交換式でありながら、個性的なデザインやコンパクトなボディ、そしてコンパクトデジタルカメラとデジタル一眼レフカメラの良いところ取り入れつつ進化するこれらは、面白いジャンルとなっています。

 各社は様々なユーザーニーズに合わせた製品展開を行っているわけですが、購入者側からすると1社の製品群から選ぶのが大変なのに、さらに様々なメーカーの製品まで調べるのは大変です。そこで、「ミラーレス一眼の購入を考えているカメラ初心者」を対象に、エントリーモデル5機種をピックアップし、今回から4回に渡ってそれぞれの機種の特徴をチェックしてみたいと思います。

photo 左からパナソニック「DMC-GF5」、ニコン「Nikon 1 J1」、ソニー「NEX-F3」、ペンタックス「PENTAX Q」、オリンパス「PEN Lite E-PL3」

 ピックアップしたのは、ソニー「NEX-F3」、パナソニック「DMC-GF5」、オリンパス「PEN Lite E-PL3」、ニコン「Nikon 1 J1」、ペンタックス「PENTAX Q」の5機種。初めてのミラーレス一眼であることを想定し、比較的低価格かつ、持ち運びが苦にならないサイズの機種とレンズキットを選びました。

 まずはそれぞれの特徴をみていきましょう。

ソニー「NEX-F3」

 NEX-F3は、今回ピックアップした5機種の中で一番大きいAPS-Cサイズの撮像素子を搭載しています。多くのデジタル一眼レフカメラが同サイズの撮像素子を採用していますので、「一眼画質」を得るにはNEX-F3を選択することが一番の近道ともいえるでしょう。反面、レンズのサイズは5機種の中でも一番大きく、携帯性という面ではマイナス要素となるかもしれません。

photo ソニー「NEX-F3」 レンズは標準ズームレンズ「E18-55mm F3.5-5.6 OSS」

 特徴的な機能としては、自分撮りできるよう180度回転する液晶モニターの搭載が挙げられます。液晶モニターを動かすことで、ローポジションの撮影はもちろん、自分撮りやセルフタイマーによる記念撮影なども画面を確認しながら撮影できます。残念な事に、下方向へはほぼ動かないため、両手を頭上に上げてのハイアングル撮影は苦手です。

photophotophoto 液晶モニターは、上に跳ね上げることができ自分撮りできます(写真=左)。ミラーレス一眼初の本体充電に対応(写真=中央)。NEXシリーズでは珍しいフラッシュ内蔵モデル(写真=右)

 そのほか、USBによる充電が可能となっており、旅行などの際にはUSBケーブルとACアダプタを持って行くだけで済みます。このUSBケーブルはAndroidスマートフォンなどにも多く採用されているmicroUSB端子を採用していますので、将来的に動作保証する外部バッテリーが発売されればどこでも充電できるようになるでしょう。

製品名 NEX-F3
撮像素子 有効1610万画素 APS-Cサイズ(23.5×15.6ミリ)“Exmor”APS HD CMOSセンサー
レンズマウント ソニーEマウント
ISO感度 200〜16000
動画 1920×1080/60pi
液晶モニター 3型ワイド/92万画素
本体サイズ 約117.3(幅)×66.6(高さ)×41.3(奥行き)ミリ、約314グラム

パナソニック“LUMIX”「DMC-GF5」

 DMC-GF5は、マイクロフォーサーズ規格を採用しており、同じマイクロフォーサーズ規格を採用するオリンパスが販売するレンズも使用できます。撮像素子はNEX-F3より一回り小さいのですが、コンパクトデジタルカメラに比べるとはるかに大きく、組み合わせるレンズによっては背景が大きなボケた写真を撮ることも可能です。

photo パナソニック「DMC-GF5」 レンズは電動ズームレンズ「LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S」

 キットレンズのひとつとして用意されている電動ズームレンズは、収納時にはボディに対してレンズの出っ張りが少なくなるため、携帯性に優れています。また、電源のON/OFFに連動して沈胴するために、レンズを繰り出す煩わしさがありません(今回紹介している電動ズームレンズキットのほか、パンケーキレンズと標準ズームレンズをセットしたダブルレンズキットも用意されています)。

 この電動ズームレンズはズーム操作も電動となるため、コンパクトデジタルカメラに慣れた人なら違和感なく操作できるのではないでしょうか。さらに動画撮影時には、ビデオカメラのような滑らかなズーミングを行うことができる点もこのレンズの良さです。

photophoto 沈胴式のコンパクトな電動式ズームレンズが特徴の一つ(写真=左)。コンパクトなボディーながらフラッシュを内蔵しています(写真=右)

 液晶モニターはタッチパネルを採用していますので、メニュー操作やオートフォーカスの指定などは画面をタッチしてダイレクトに行うことができます。さらに、エフェクトを掛けた写真撮影が楽しめるクリエイティブコントロールも充実し、複雑になりがちなメニュー操作もタッチするだけで楽しめますので初心者に優しいカメラといえます。

製品名 DMC-GF5
撮像素子 1210万画素 4/3型Live MOSセンサー(17.3×13ミリ)
レンズマウント マイクロフォーサーズマウント
ISO感度 160〜12800
動画 1920×1080/60i
液晶モニター 3型/92万画素 タッチパネル
本体サイズ 約107.7(幅)×66.6(高さ)×36.8(奥行)ミリ、約267グラム

オリンパス「PEN Lite E-PL3」

 オリンパスのPEN Lite E-PL3は、GF5と同じくマイクロフォーサーズ規格を採用しており、パナソニック製の同規格準拠レンズを利用でき、レンズの選択肢が多いことが特徴です。

photo オリンパス「PEN Lite E-PL3」 レンズは標準ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」

 ズームレンズキットに付属する「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」はNEX-F3の付属ズームレンズより一回り小さいのですが、GF5の電動ズームレンズと比較するとやや長めとなります。このレンズは、光沢のあるシルバー仕上げとなっており、PENシリーズならではのプレミアム感を感じられるのではないでしょうか。

 シリーズ初のチルト式液晶を搭載しており、液晶モニターを上下に角度をつけ、見やすいアングルで撮影できます。子どもやペットや花などを低いポジションで撮影する、あるいは、お祭りやイベントの際の人混みのなかで両手を上げて高いポジションで撮影する際に重宝します。

photophoto 上下に可動する液晶モニターを搭載(写真=左)。ストロボは外付け(付属)タイプ(写真=右)

 さらに、進化し続ける本格的なアートフィルターを搭載していることもE-PL3の強みのひとつです。トイカメラ風やジオラマ、ドラマチックトーンなど豊富なアートフィルターを使うことで、何気ない風景をアートにすることができます。

 今回ピックアップした5機種の中で、E-PL3だけがストロボを内蔵しておらず、ストロボ撮影をする場合は、付属の外付けストロボを装着する必要があります。このストロボは常に装着して持ち歩いても苦にならないコンパクトなものですが、E-PL3の高感度とオート補正機能があれば、暗闇で撮影しない限りストロボの必要はないと思います。

製品名 PEN Lite E-PL3
撮像素子 約1310万画素 4/3型ハイスピード Live MOS センサー(17.3×13.ミリ)
レンズマウント マイクロフォーサーズマウント
ISO感度 200〜12800
動画 1920×1080/60i
液晶モニター 3型/46万画素
本体サイズ 約109.5(幅)×63.7(高さ)×37.3(奥行)ミリ、約313グラム
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