PENTAXって昔からときどき超ユニークなカメラを作るメーカーなんだけど、今回はもう大ヒット。コンセプトも面白いし、デザインも楽しいし、使い勝手や機能も「このサイズでここまでやるか」ってくらい凝ってるし、「PENTAX Q」というネーミングも最高にいい。
「遊びこそ本気で」というけれども、PENTAX Qはまさに本気で遊んでるカメラなのだ。
PENTAX Q(以下 Q)はコンデジ用撮像素子(1/2.3型の裏面照射CMOSセンサー。有効画素数は1240万画素)を採用した超小型ミラーレス一眼である。ナノ一眼と銘打たれている。
Qのボディはおそろしく小さくて軽い。下手なコンデジよりも小さくて軽い。コンデジはボディの中に沈胴したレンズを収納するスペースが必要なのだけど(そうじゃない製品もあるけれど)、Qにはそれが不要だから。その分レンズをつけたときの奥行きはあるのだけどそれもまたミニチュアカメラっぽくていい。
Qは小さいのにおそろしく本格的である。コンデジサイズなのにストラップは両吊り対応で、レンズの真上にアクセサリシューまでついている。電子ダイヤルも持っている。PENTAXはコンデジのOptio、デジタル一眼レフのKシリーズ、デジタル中判の645と3つのラインアップを持っているが、Qの使用感や機能はK-rに近い。まさにミニチュアの一眼だ。
感心したのはレスポンスの良さ。Optioより明らかにサクッと起動するし、メニュー操作も快適でサクサクと設定を変えられる。だから……ボタンが小さくて押しづらいことを除けば、撮っててしごく快適なのである。残念なのは液晶モニタのクオリティくらい。悪くはないのだが、ここまでするならもうワンランク上のものを搭載して欲しかった。
まあボディや機能については何度も紹介されているので、作例をメインに見ていこう。使ったレンズは本体付属のF1.9 単焦点レンズ(01 STANDARD PRIME)のみ。35ミリ換算で約47ミリ相当というスナップ用レンズだ。これがまた軽くていい。1/2.3インチという小さなコンデジ用撮像素子であることを考えると、このくらい明るいレンズが欲しい。
撮影モードはAUTOのほかにP/A/S/M、そしてSCN(シーンモード)とBC(ボケコントロール)。
というわけで作例を見ながら。
オートで撮った方は風景と認識され、少しだけ彩度が高めになっている。ディテールの描写には不自然さがなく、なかなか優秀。
次は森の中。AUTOだとシーン自動認識で「森(フォレスト)」と認識されて、ほどよいしっとり感に。森の中はホワイトバランスや露出がずれやすく、たいてい露出オーバーになるものだがこれはいい。これは感心した。
基本的な作例をもうちょっと見ていこう。Qにはさまざまな撮影パラメータがあるが、注記しない限り、ハイライトとシャドウ部の補正はオンで、ディストーション補正もオンというデフォルトの状態で撮っている。
シーンモードを使って撮ったものも2パターンほど。
正直にいうと、今までOptioシリーズを毎年のように触っているのだが、写りに、とくにヒット率に不満があった。でもPENTAX Qは違った。予想以上に安定した写りを見せてくれる。これはよい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR