それ以外の設定は「QS」キーで行う。QSメニューは2パターンあり、押すたびに内容が切り替わる。メニューは4方向の十字キーに対応しており、十字キーで選んで電子ダイヤルを回して決定。ISO感度やホワイトバランスなんかを感覚的にさっと切り替えられる。ここの使い勝手は、既存モデルに比べて劇的に改善されたと言っていい。
ISO感度はISO100から6400まで用意されてるけど、実用レベルではISO400くらいかな。APS-Cサイズだから高感度の絵もきれいなはず、と思ってはダメです。撮影最短距離が長めなこと(センサー面から28センチ)ことも残念かな。
手ブレ補正機構もない上に、ディテールの描写力が高い=わずかな手ブレもそのまま記録されちゃうので、DP2Mの解像力を生かした撮影をしたい人は、暗くなったら素直に三脚を使うべし。いざというときのためにミニ三脚やテーブル三脚を一緒に持って行くとよいかと思う。
もうひとつ注意したいのはバッテリ。公称で約97枚。実質、100枚ちょっとと考えていい。製品パッケージにはバッテリが2つ(つまり最初から予備がついている)ので、予備は常時持ち歩くこと。
とまあ、使うにあたっての注意事項は多い、というか、イマドキのコンパクトデジカメのようにカメラ任せでシャッターを切ればなんとかなる、というカメラではない。自分の意志でじっくりセッティングをしてちゃんと撮るカメラであり、できればRAWで撮って絵作りも楽しみたいカメラなのは確かだ。
このサイズでこの価格でこのクオリティの写真を撮れるのはDP2Mだけ、といっても大げさじゃない。特に質感の描写力はすごい。人工物でも木々のような不規則なパターンでも、その辺の一眼レフよりずっとしっかりした描写を見せてくれるのだ。
よって、写真が好きなら買って損はないカメラであり、一度味わってみるべきかと思う。なお、この先、28ミリ相当のレンズを持つ広角系のDP1 Merrillも控えている。45ミリ相当という画角が扱いづらいと感じる人や、この描写力で風景を撮りたいって人はDP1 Merrillを待ってみるのもいいかもしれない。
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