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» 2013年12月09日 12時09分 公開

小さいだけじゃない――“溝”をさりげなく埋める不思議なカメラ “LUMIX GM”「DMC-GM1」(3/5 ページ)

[荻窪圭,ITmedia]

小さい割に頑張った操作系とLUMIXならではの細かい撮影モード

 ボディが小さい分、操作系も絞り込まれている。

 上面には撮影モードダイヤル、電源&シャッター。さらにFn1キーとフォーカスモードダイヤル。ユニークなのはこんな小さなボディなのにフォーカスモードを独立したレバーで持っていること。そのことからも本格派っぷりがわかる。

 上面のFn1キーは標準ではWi-Fiに割り当てられている。NFCはもたないのでiPhoneのみならずAndroidでも最初はパスワードを入力して接続する必要がある。カメラのWi-Fiは常時接続しているものではないので、パスワードはもっとシンプルでスマホからでも入力しやすい短いものにすべきだと思うのだが、ちょっと残念。

photophoto 小さいながらWi-Fiに対応。ただ、NFCは未搭載だ。パスワードはもうちょっと短く入力しやすいものにして欲しかったと思う

 もちろんFn1キーは他の機能に割り当てられる。また、背面モニタはタッチパネルで、画面上のFn2〜6のキーも使える。そもそもさほど凝ったセッティングで撮るようなカメラでもないのでそこは頻繁に使うものを割り当ててやればいいだろう。

 撮影モードダイヤルは「DMC-GX7」(レビューまとめはこちら)と同じで、従来のLUMIXのようにiAボタンが独立せず、モードダイヤルの中に組み込まれている。

 シーン自動認識オートのiAは「iA+」にすると露出補正や色合いの調節ができる。また、i手持ち夜景をオンにすると暗いところで自動的に連写+合成の手持ち夜景モードに、iHDRをオンにするとHDRが自動的にかかる。パナソニックのiAは人物や風景といった一般的なものに加え、料理も自動認識するのが面白い。

photo 左上のアイコンを見ると分かるとおり、料理と認識した
photo 「iAUTO」で料理認識。少し赤みがあって彩度が高めになるが、お皿が白いときはもうちょっとプラスの補正をかけて欲しいかなと思う

 P/A/S/M各モードでの細かい操作はQ.MENUで行う。こちらも他のLUMIX Gシリーズと同様、カスタマイズ可能だ。シャッタースピードは最高1/16000秒と超高速。実はある程度シャッタースピードが速くなると自動的に電子シャッターに切り替わるのだ。電子シャッター時はローリングシャッターゆがみが出るけれども、自動的に切り替わるので明るいレンズを付けて開放で撮りたいってときも露出オーバーにならず対応してくれる。

photo 25mm F1.4の明るいレンズをつけ、晴天下で絞り開放で撮影。ISO感度はオート。普通なら露出オーバーになる状況でも電子シャッターに切り替わったおかげで1/13000秒で撮影できた 25mm 1/13000秒 ISO200

 それ以外の撮影モードは他のLUMIX G同様、デジタルフィルタをかける22種類のクリエイティブコントロールや、細かなシチュエーションに分かれた23種類のシーンガイドがある。シーンガイドは人物だけでも5種類、夜景だけでも7種類と実に豊富で面白い。「夜景をアーティスティックに撮る」なんて選ぶと、自動的に30秒の長時間露光になって光跡をとらえてくれる。

photophoto 豊富なシーンガイド。ひとつひとつのシーンを日本語でわかりやすく説明してくれるのがよい(写真=左) 自動的にF22 30秒 ISO200にセットされた「夜景をアーティスティックに撮る」モードで撮れた写真。自動的にセッティングしてくれるのは楽チン(写真=右)

 とまあ、小さいけれども、性格としてはエントリーというよりは中級モデル。ボディはマグネシウムを使ってるし、上面のダイヤルもアルミ削りだしで安っぽさはまるでない。大人のミニチュアミラーレスだ。

 本格的な撮影をメインに考えるならばさすがに力不足だけれども、超小型なのでキットレンズをつければ高画質で高性能なハイエンドコンデジ的にも使えるし、コンパクトなレンズをいくつか揃えて超小型ミラーレス一眼システムとして楽しんでもいい。

 明るくコンパクトな単焦点レンズを数本持つのもいい。ボディが小さいので、数本レンズを追加してもシステム全体がコンパクトで軽く持ち運びやすいのだ。ハイエンドコンデジとレンズ交換式カメラの間にあった深い溝を、さりげなく埋めちゃう不思議なカメラといっていいかも。

 すでにDMC-GX7やDMC-GH3、あるいはOM-D E-M5/E-M1などを持っているのなら、同じレンズを使えるセカンドカメラとしてもいい。小さくてかさ張らないので、普段はDMC-GM1を持ち歩き、ちゃんと撮影したいときはもうちょっと大きなモデルをと使い分けてもいい。どう使うにしろ、ユニークなカメラであることに間違いない。面白いものを出してくれたものである。

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