PRS-700――Sony Corporation電子書籍端末ショーケース

往年の名機から最新のタブレットまで――古今東西の電子書籍端末をショーケース風に紹介する「電子書籍端末ショーケース」。今回は、米Sonyの電子書籍端末「Reader」の3代目モデルとして発売されていた「PRS-700」を取り上げる。

» 2012年07月10日 10時45分 公開
[山口真弘,ITmedia]

製品概要

 米Sonyの電子書籍端末「Reader」の3代目となるモデル。北米地域をターゲットに販売された製品で、国内では未発売。

 Reader初のタッチインタフェース搭載モデルであり、従来の数字キーを用いたメニューは廃止され、画面はアイコンを中心としたデザインに改められている。画面下部に横一列で配置されるボタンは、のちのReaderで標準レイアウトとなる原型を見ることができる。また本体にライトを内蔵し、暗い場所での読書を可能にするなど、外見だけでなく機能面でも大きな進化が見られる。

 その一方、ライトの内蔵とタッチ対応パネルの採用によって本体は2ミリほど厚みを増したほか、パネルが重層構造になっているため画面がやや曇って見えるなど、視認性は従来モデルに劣る。重量も25グラムほど重い約280グラムとやや肥大しており、価格も400ドルと、従来モデルに比べて100ドルも値上がりしている。

 通信機能は搭載しておらず、同社のオンラインストア「Reader Store」で購入したコンテンツなどをPCから転送して利用する。日本語フォントは内蔵されていないため、本文はもちろんリスト画面上のタイトルも文字化けする。なお、翌年のモデルからは画面サイズおよび機能の違いによるバリエーション展開が行われるようになったため、700系列の型番は本モデルのみで終息し、実質的に「PRS-600」に吸収される形になっている。

スペックで見る「PRS-700」

メーカー Sony Corporation
国内発売時期 未発売
発売時価格 400ドル
専用/汎用 専用
OS 独自
OSバージョン 3.3
サイズ(※最厚部) 127.6(幅)×174.3(奥行き)×9.7(高さ)ミリ
重量 約280グラム
解像度 600×800ドット
ディスプレイ 電子ペーパー(E Ink)
カラー/白黒 モノクロ8階調
画面サイズ 6インチ
通信方式 なし
Bluetooth なし
内蔵ストレージ 512Mバイト(ユーザ使用可能領域420Mバイト)
メモリカードスロット SDカード、メモリースティックDuo
バッテリー持続時間(メーカー公称値) 7500ページ
タッチ操作 対応
対応フォーマット BBeB、PDF、TXT、RTF、EPUB、BMP、JPEG、GIF、PNG
コネクタ USB(miniB)
電子書籍ストア Reader Store
その他 米国での発売は2008年10月。日本語は非対応
最終更新日:2012年7月10日

写真で見る「PRS-700」

右60度傾斜外観本体を持った写真CDとの比較 本体色はブラック。従来モデルのようなアルミ押出し成型ではないものの、堅牢性は高い。上下右面はメタル調の光沢があり高級感もある(写真=左)/タッチインタフェース採用によりボタン類は減り、画面の下一列にまとめられている(写真=中央)/画面サイズは従来と同じ6インチ。E Inkパネルは従来モデルよりも若干下寄りにレイアウトされている(写真=右)
単体正面左側面右側面 正面。ボタンは左から順に戻る、ページ戻る/進む、ホーム、検索、文字サイズ拡大縮小、オプションと、のちの標準とも言えるレイアウトがすでにできあがっていることが分かる(写真=左)/左側面。特にボタンやコネクタ類はない(写真=中央)/右側面。左側面とはややデザインが異なり、断面が斜めにカットされている。向かって右にはタッチペンが格納されている(写真=右)
上面底面裏面 上面。SDカードスロットとメモリースティックDuoスロットのデュアル構成。隣には電源キーも配置されている(写真=左)/底面。ストラップホール、ライトON/OFFキー、ACジャック、USB miniB端子、イヤフォンジャック、音量大小ボタンを備える(写真=中央)/裏面。向かって右のスリットは正面と共通で、滑り止めを意識しているものと思われる(写真=右)
パネル左右にライトが内蔵 パネル左右にライトが内蔵されており、暗いところでも読書が楽しめる。光量は2段階。バックライトではないため画面がムラなく発光するわけではない
タッチペンを内蔵する。ただしペンでしか操作できないわけでなく、指先でもきちんと反応する(薄い茶色)(画面=中央)/専用カバーが付属。従来モデルと同様、ファイリングするように本体の上下をはめ込む構造になっている。外見色はブラック(画面=右)
メイン画面コンテンツ表示画面 メイン画面。タッチインタフェースを採用したことにより、従来のリスト表示からアイコン表示に改められている。ただしパネルが重層構造になったため画面がやや曇って見えるほか、反射もしやすい(画面=左)/BOOKコンテンツを一覧表示したところ。リスト表示のほか表紙のサムネイル表示に切り替えることも可能。日本語タイトルが文字化けするのは従来と同じ(画面=中央)/コンテンツを表示したところ。メモリカードのrootに入れたPDFファイルをそのまま表示できる。これは本製品のマニュアルを表示しているところ。日本語表示には非対応だが、フォントを埋め込んだPDFであれば問題なく表示できる(画面=右)

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