腹が減っては旅は出来ぬ『辺境の老騎士』私設図書館シャッツキステ49冊目

本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。今日はレイラからのオススメですよ。

» 2014年04月11日 11時00分 公開
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 街の片隅に、メイドが営む私設図書館がありました。

 そこには書架を守る司書メイドがいます。ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。

 彼女の好感度を上げようと、今日もお気に入りの1冊を持って、書架にメイドがやってきます。

腹が減っては旅は出来ぬ『辺境の老騎士』

レイラ

「この世でいちばん好きなのは、お料理すること食べること」


ミソノ

絵本『ぐりとぐら』の一節ですね。


レイラ

この言葉、大好きなんですよー。でも、最近はこの言葉に「旅をすること」を加えてもいいかなぁって思うようになりました。


ミソノ

旅ですか! いいですね。


レイラ

と、言うことで。今回は、年老いた騎士が長年仕えていたテルシア家からお暇を貰って、老馬ただ1頭をお供に旅をしながら美味しいものを食べ歩く、グルメ・エピック・ファンタジー小説をご紹介します。


『辺境の老騎士』(支援BIS/エンターブレイン) 『辺境の老騎士』(支援BIS/エンターブレイン)
ミソノ

ファンタジーの世界のお料理ってすごく美味しそうですものね。


レイラ

そうなんですよ! 特にこのお話は「第1章 ガンツの娘 コルルロースの臓物の煮込み」という風に各章のタイトルにお料理の名前が載っていて、目次を見るだけでもワクワクしてくるんです。


ミソノ

確かに、これは興味をそそられますね。コルルロースってなにかしら……。のんびり旅をしながら異郷のグルメを味わうって憧れます。


レイラ

あ、でもこのお話の世界では魔獣とか妖魔とか山賊とかでるので、実は1人旅って結構大変みたいなんですよねぇ。


ミソノ

あら! さすがファンタジー世界。危険もいっぱいなんですね。


レイラ

まぁ、そこで老騎士が「剣を振ると右肘が痛い、腰が痛い」っていいながらも大立ち回りを演じる冒険活劇的な場面になって面白いんですけどね。


ミソノ

そろそろ縁側でお茶を飲んでもよいご身分なのに、その老騎士さんはなぜ旅に出ようと思ったのでしょうか。


レイラ

死期が近いので死に場所を求めて旅をはじめたそうですよ。


ミソノ

……意外と重い理由でびっくりしました。


レイラ

なんて言うか、こういうネガティブな方向に前向きな行動をとる登場人物に、すごく好感がもてるんですよね。


ミソノ

ネガティブに前向き!


レイラ

「まぁ、ここで死ぬなら死ぬでいいか」とか言いながら命を張って出会ったばかりの人のために戦うおじいちゃん、かっこいいです。


ミソノ

あら、それはかっこいいかも。


レイラ

そんなおじいちゃんなのですが、旅先で色んな人に出会い、珍しいものを食べながら様々な出来事を体験していくうちに、段々と旅と食への姿勢が変わってくるんです。

「もうすぐ死ぬから死ぬ前にちょっと遠出して美味しいもの食べておこう」から「生きている内は美味しいものを食べよう」となって物語の最後では「生きるために食べて旅をしよう」という風に。


ミソノ

ああ……素敵ですね……。


レイラ

それからおじいちゃんが騎士として剣をささげたテルシア家の貴婦人アイドラ様への淡い恋模様も見所です。美味しいものを食べる度に「アイドラ様への手紙にこの料理のことも書こう」って嬉しそうに言うおじいちゃんのかわいいことかわいいこと。


レイラ

旅先から憧れの人に手紙をつづるってロマンティックですね。


レイラ

ただ残念ながら、手紙を送る前にある事件に巻き込まれてしまうのですが……。とはいえ旅を始めてから最低でも3カ月は過ぎているはずなのに、結局手紙を書けなかったおじいちゃんの奥手っぽいところが好きです。


レイラ

老騎士さんが巻き込まれた事件というのも気になります。


レイラ

この事件を中心とした第1部は老騎士の一人旅なのですが、第2部に入ると個性的で魅力的な旅の仲間が加わって更に楽しい旅になりますので、是非美味しいものを食べながら、この本の世界を一緒に旅して欲しいです。


ミソノの好感度パラメーター

本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?

エリス:24% レイラ:49% サヤ:53%


本日のメイド

ミソノ ミソノ:いつもニコニコ、図書館を影から支える司書メイド。好きなジャンル:絵本、児童書、旅行記、本、紙、図書館
レイラ レイラ:森育ちのツンデレ魔女。お休みの日には愛猫とお気に入りの紅茶でまったり読書。好きなジャンル:文化 ゲーム ファンタジー 魔女 雑学

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