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» 2004年06月18日 11時04分 公開

マイクロソフト、3つの「theSpoke」施策

6月17日に発表されたマイクロソフトの学生向け支援施策は、統合開発環境Visual Studio .NET 2003を4,830円で販売するなど意欲的なプログラムになっている。

[柿沼雄一郎,ITmedia]

 6月17日、東京・千代田区のホテルで行われたマイクロソフトの月例プレス向けセミナーでは、学生向けにVisual Studio NET 2003を4,830円で提供するなど、アカデミック分野に対する同社の意欲的な施策が発表された。

 セミナーの冒頭に同社執行役 最高技術責任者の古川 享氏が登場し、同社のこれまでのアカデミック分野への取り組みを紹介。その中で、今年3月30日にマイクロソフト主催で行われた学生向けイベント「The Student Day」にも言及。そこでは「マイクロソフトに期待する学生たちの具体的な生の声が聞けた」とする一方、イベント中に行われた全世界規模の学生向けプログラミングコンテスト「Imagine Cup 2004」の日本大会では、アルゴリズム部門コンテストの応募者が0名という結果をうけて、「(われわれの)告知や機会の提供が十分ではなかったのかもしれない。それに加えて、日本の学生たちのITレベルが他国と比較していまだ低い位置にあることを痛感した」という。

 こうした問題や学生たちの要望を受け、マイクロソフトが実施するのが「theSpoke Japan」をはじめとする以下三つの施策だ。

 一つ目がツールの安価な提供。6月25日からVisual Studio .NET」の学生向けパッケージ「Visual Studio .NET theSpoke Premium Version 2003」を4,830円と格安で提供する。すでに提供されているVisual Studio .NET Academicと同等品で、商用プログラムの作成も可能。利用期間などの制限もない(卒業しても利用可能)。対象は中学生以上の学生。ただし、購入後に学生証のコピーをマイクロソフトへ郵送し、インストールに必要なプロダクトキーの発行を受けなければならない。担当者によれば、学校法人と個人の存在を確認するためで、これに必要な期間は約二週間という。その間は、パッケージに含まれる体験版DVDを使って予備学習ができるとのこと。

 二つ目がコミュニティプレースの提供だ。学生向けコミュニティWebサイト「theSpoke Japan」を同じく6月25日から公開する(メンバー登録無料)。今年2月に米国で開始されたサービスの日本語版で、ブログや掲示板といったコミュニケーションツールのほか、(Spokeに対しての)ハブという概念による各種のサブコミュニティ機能も備える。C++ハブやVBハブといったように、より細分化した話題による掲示板のようなもので、誰でも参加できるパブリックと、招待を受けた人のみ参加できるプライベートの二種類がある。さらに、今秋には自分の作成したアプリケーションなどをアップロードできるファイルスペースの提供予定もあるという。

 三つ目はオフラインでの活動を支援する「theSpoke 実行委員会」の設立。学生が中心となって、各種のIT活用のための企画を自主的に立案、その実行を手助けするための組織となる。当面はtheSpoke 実行委員会事務局が主体となり、実行委員の選定やイベント実行を行っていく。すでに、「theSpoke を利用して IT をみんなで活用するには」というテーマのアイディアコンテストが開催されており、最優秀賞には10万円が贈られる。第一回締め切りは7月15日。

同社執行役 デベロッパーマーケティング本部長の鈴木協一郎氏。鈴木氏は3カ月前の就任後、初めて公の場に姿を見せた。

 今年2月から行っている東京大学、早稲田大学、慶応大学との連携やImagine Cupの開催など、このところのマイクロソフトは特にアカデミック分野への注力が目立つ。そこには、将来の.NET開発人口をいまのうちから増やしていこうという目論見があるのではないだろうか。

 「.NETによる青田買いというイメージをもたれるかもしれません。ですが、あくまでこれは学生さんから出た要望に企業として応えた結果です。」と、同社執行役 デベロッパーマーケティング本部長の鈴木協一郎氏は言う。「携帯電話の一カ月の使用料、あるいは飲み会二回分くらいのコストで、プログラミングに興味があるという学生さんに開発環境を提供したかった。またパッケージ(箱入り)の販売方法は日本独自で行うものです。米国ではクレジットカードによるオンライン販売ですが、カードをまだ持たないという学生さんも日本では多いので」(鈴木氏)

 「最新の開発環境をもっと安くしてほしい」「創造物の表現の場を設けてもらいたい」「プログラム学習者間の交流ができるような仕組みを提供してほしい」といった学生たちの生の声が、本当にマイクロソフトを動かしたのかもしれない。「こんな安い価格ではコストに見合わず、販売店が置いてくれないかもしれない」(古川氏)という社内での危惧もあったという。そこはどうあれ、プログラミングに興味を持つ若者にはよい機会になるだろう。

同志社大学ローム記念館プロジェクト「MS CoLaBo」の学生たちと記念撮影。学生に使いやすいOfficeテンプレートの開発やヘルプデスクの運営などが活動内容とのこと。theSpokeを活用して活動を広げていくという。

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