ワクチンまでの空白埋める、ふるまい検知技術(2/2 ページ)

» 2004年07月23日 22時16分 公開
[堀 哲也,ITmedia]
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 トーボールCEOは、7月21日に行われた「イスラエルITビジネスフォーラム 2004」のプレゼンで、「シグネチャベースのウイルス対策はもう機能しない。ワクチンを最新にしても新種は常にその先で感染してしまう。アクティブコンテンツによるハッカーの攻撃も顕著になってきている」と警告した。

 同社のVital Securityは、SafeControlのWebフィルタリングやMacAfeeなどのウイルス対策ソフトと連動して、これらをすり抜けたActive XやJAVA、VBスクリプトなどがあれば捉えて、設定したポリシーに反する動きをするかを監視。違反があればシャットアウトする。

 具体的には、ファイル/レジストリ/ネットワークコマンド/ブラウザの設定/OSへのアクセスを監視して、攻撃を判断するという。クライアント用のソフトでは、仮想環境のサンドボックスでシミュレートして、ふるまい検知を行う。

 トーボールCEOは「この技術で8年半の経験の蓄積がある。特許も持っている。過去の実績では、ゲートウェイだけで95%、クライアントも組み合わせれば100%攻撃を阻止してきた」と強調する。

TruPreventテクノロジーのPanda

 Panda Softwareは7月22日、ふるまい検知技術などを搭載した「TruPreventテクノロジー」の販売を発表した。この技術を搭載した日本語版製品を7月から順次開始していく。

 同社は、これまでウイルス対策ソフトを提供してきており、ワールドワイドで6位のアンチウイルスベンダーとしての位置(IDC調査)につけている。これを補完するものとして、同社の全製品に今後TruPreventテクノロジーを搭載していく予定だ。対策ソフトを補完するという点では、他社の対策ソフトも補完できるため、TruPrevent単独機能の製品化も考えている。

ペドロ・ブスタマンテCMO Pandaはもっともシェアを伸ばしたアンチウイルスベンダーとされているとも、ブスタマンテCMO

 チーフマーケティングオフィサーのペドロ・ブスタマンテ氏によれば、TruPreventテクノロジーは、(1)ふるまい分析、(2)分散型ファイアウォール、(3)バッファオーバーフロー攻撃からの防御、(4)OSに対するルールエンジン――の4技術で構成されているという。ふるまい分析機能については、すでにベータ版を提供してきており、残りの3技術と併せて製品化するという。

 クライアントPCで動作するこのソフトは、ふるまいを監視するセンサーを持ち、COM/サービス/レジストリ/ファイル/アカウント/電子メールを監視し、相関分析して、悪意のあるコードと判断するという。「トップシークレット」と(2)(3)(4)の機能詳細は語ろうとしなかったが、これら機能と組み合わせて、より確実に未知の攻撃を防ぐという。

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