SOA実現への現実的なフェーズ、日立の戦略とはInterview(2/2 ページ)

» 2005年01月14日 21時00分 公開
[木田佳克,ITmedia]
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 いくらSOA実現を掲げても根底でITシステムがサービス指向に則してなければ一向に現実味を帯びてこない、と大場氏は指摘し、コンポーネントベース開発は今後新規にサービス化を行う際に有効なものという。

MDAはプラットフォームに依存しないで設計を行うことができる

 MDAの具体性についてはさらに、業務分析(CIM)、要求分析(PIM)、システム分析(PIM)、論理設計(PSM)、実装テストといった各部へ開発パターンを当てはめていくノウハウを挙げた。やみくもにUML導入が解決策とは考えず、業務プロセスそれぞれをコンポーネントとして考え、ビジネス、業務機能、システム機能、そしてサービスなどと明確にMDA化を行うことが重要との見解だ。

SOAを支えるプラットフォーム、Cosminexus

 Cosminexus V6.5で提供されるSOA実現のための基盤は、ビジネスプロセス管理とメッセージング基盤だ。

 日立では、SOA実現のためにコラボレイティブEビジネスプラットフォームのミドルウェア「Cosminexus」を提供している。   Cosminexusは、Harmonious Computingコンセプトの中核となる製品として、業務アプリケーションの開発と実行基盤を担う。Harmonious Computingとは、ユーザーがITリソースの存在を意識せずにコアとなるビジネスに集中することを可能にし、ユビキタス情報社会を支える日立のサービスプラットフォームコンセプトである。

 ソフトウェア事業部 計画部主任技師の村上貴史氏は、インタビューでミッションクリティカルなJ2EEを実現する「Cosminexus V6.5」について語った。2004年12月に出荷されたこのバージョンでは、性能を大幅にパワーアップすると共に、導入、運用コストの低減を実現し、トータルコストパフォーマンスを高める。

メッセージの高可用性を実現する標準規格インタフェースを搭載

 新版であるCosminexus V6.5について村上氏は、SOAに相応しい実装としてビジネスプロセス管理(BPM)基盤と高信頼メッセージング基盤が要だと語る。メッセージング基盤には、標準規格「WS-Reliability」実装などを挙げ、メッセージ通信の信頼性がいっそう高まっている点を強調した。WS-Reliabilityは特に、「Cosminexus Reliable Messaging」と呼ばれる新たなミドルウェアが担うことになる。

 ほかにも、SOAPやJMS、RMI-IIOPに加えコネクタアーキテクチャのJCAサポート、レガシー連係機能「Hub&Spoke」についても言及された。今後は、BPEL4WSのサポートも予定しているという。いずれの実装も基幹利用のSOA実現に欠かせないものとなる。

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