オープンソースにエンタープライズ級のサービスを提供するNovellBrainShare 2005 Report

Novellはプロボのキャンパス内にオープンソース新興企業のためのインキュベーションオフィスを開設するほか、エコシステムを構築するための支援プログラムやデータセンター向けの認定プログラムも発表した。

» 2005年03月23日 14時45分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 ユタ州ソルトレイク・シティーでBrainShare 2005を開催中のNovellは米国時間の3月22日、ソルトレイク近郊のプロボに「Novell Open Surce Technology Center」を開設すると発表した。プロボはかつてNovellの本社が置かれていたところ。Cambridge Technology Partnersとの合併後、本社所在地をマサチューセッツ州ウォルサムに移しているが、現在も同社最大の拠点となっている。

 Novellのジャック・メスマン会長兼CEOが、「新しいアイデア、製品、そしてソリューションを世に送り出す施設にしたい」としているように、いわゆるインキュベーションオフィスに近いものになる。計画によると、同社は第3四半期、プロボのキャンパス内に2万5000平方フィート(約2300平方メーター)のオフィススペースを用意し、オープンソースソフトウェアの新興企業に提供する。入居企業は、オフィスの運営に必要な一般的なサービスやテクニカルサービスのほか、投資を受ける機会もあるという。

 OSDLのCEOを務めるスチュアート・コーエン氏も「オープンソースは、テクノロジーだけでなくビジネスモデルにおいても革新の駆動力となっている。Open Surce Technology Centerは、革新を加速し、企業家にとって新しい機会を創造するだろう」と歓迎のコメントを寄せている。

エコシステム整備に力を注ぐNovell

 今回のBrainShare 2005では、しばしば「エコシステム」がキーワードとして語られた。初日の21日には、オープンソースソフトウェアベンダーらがNovellの販売チャネルやサポートインフラを活用できる「Market Start Program」が発表されている。彼らの市場へのリーチがグローバルに広がると同時に、顧客にとっては革新的なオープンソースソリューションの選択肢が広がるというメリットにもつながる。

 今回発表されたJBossとの提携強化が良い例になると思うが、オープンソースとNovell固有の技術をミックスして整備していく共通サービス基盤である「Novell Identity Services Foundation」(ISF)と「Novell Application Services Foundation」(IAF)もMarket Start Programと関連性は深い。

 ジャック・メスマン会長は、初日のジェネラルセッション後のプレスQ&Aセッションで、「エンタープライズクラスのサービスがオープンソースソフトウェアにも提供されるのは顧客にとって大きなメリットになる」と話している。

 また、Novellは21日、Linuxソリューションをデータセンターに配備する際のリスクをさらに軽減すべく、「Novell Validated Configuration Program」も立ち上げた。Linux上のさまざまなミドルウェアやアプリケーションの組み合わせを統合されたスタックとして定義し、認定していくもの。Novellでは、以下のような5つの領域でニーズが高いとみており、顧客らが複雑でミッションクリティカルなLinuxベースのアプリケーションも迅速に配備できるようにする。

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