SunがN1計画最初の製品として、サーバ群の管理とプロビジョニングを容易にする新ソフトウェア「N1 Grid」を発表する。同社のハードウェアの管理にのみフォーカスするという。(IDG)
Sun Microsystemsは今週、データセンターのサーバ群の管理とプロビジョニング用の新ソフトウェア「N1 Grid」を発表する。このソフトウェアは、Sunの当初の「N1」計画を縮小して、同社のハードウェアの管理にのみフォーカスするという戦略に沿ったもの。
SunのN1ソフトウェアは、複数のシステムをあたかも単一の巨大なシステムであるかのように管理することを可能にするもので、これによりデータセンターの複雑な運用業務を簡素化するのが狙いだ。ライバルメーカーのIBMとHewlett-Packardも、同様の構想を推進している。
Sunの新しいソフトウェアは、ユーザーが自動化ツールを使用して同時に複数のマシンにソフトウェアをインストールし、これらのマシンをグループとして容易に管理できるようにする機能も備える。
Sunは当初、N1製品では、他社製のストレージ装置やルータ、サーバなどを含むすべてのタイプのデータセンター機器を管理できるようにする方針だった。しかしこの目標は意欲的すぎたようだ。
Sunでソフトウェアグループを統括するジョン・ロイアコノ執行副社長によると、同社は数カ月前、この取り組みを縮小することを決定し、少なくとも今のところは、Sunのシステムのみを管理対象とする方針だという。
ロイアコノ氏は先週、「すべてのユーザーのあらゆる問題を解決しようとするのではなく、より現実的なアプローチを採用することに決めた。当初、異種混在環境の中であらゆる種類の機器を管理することを考えたが、その後、構想を少し縮小し、現時点で配備可能なものを提供しようということになった。われわれは来週、最初のインプリメンテーションを披露するつもりだ」と話した。
ロイアコノ氏は、発表前だとしてN1ソフトウェアの詳細を明らかにしなかった。この製品はSunのSolaris以外のOSにも対応するが、同社のSPARCプロセッサもしくはIntelまたはAdvanced Micro Devicesのx86プロセッサをベースとしたSunのシステムを管理する機能に限定されることを同氏は示唆している。
「Sun以外のOSの管理とプロビジョニング機能を提供するが、SPARCとx86システムだけに対応する」(同氏)
ロイアコノ氏によると、SunはN1 Grid管理ソフトウェアの対象範囲を縮小することで、より迅速に製品を顧客に提供できるという。
「われわれは、いつの日にか大海の水を沸かすことを目指すのではなく、ポットの水を今すぐ沸かそうとしているのだ」と同氏は話す。ただし将来的には、より広範な異種環境をN1でカバーする計画だという。
5月3日にワシントンDCで行われる発表会では、新しいN1 Gridソフトウェアのほかにも幾つかの製品とサービスがSunから発表される見込みだ。
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