「Java 10周年」以後のSunの未来(2/2 ページ)

» 2005年05月13日 19時59分 公開
[Sean Gallagher,eWEEK]
eWEEK
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 一方で、Sun幹部はオープンソース界で信用を高めるための道から外れてしまっている。先週のNCイベントではこれまでのイベントと同様に、Sunのスコット・マクニーリーCEOが、同社のコミュニティーベースの開発の結びつきがいかに強いかを示すために共同創設者のビル・ジョイ氏の名前を出し、同社の支持するオープン標準を長々と挙げた。「ちょっとしたアル・ゴア主義を利用するために、われわれはコミュニティー(開発方式)を作った」とマクニーリー氏は聴衆に向けて語った。

 マクニーリー氏は、Sun幹部らが1月に話したのと同様に、Solaris 10を2005年第2四半期末に完全にオープンソース化すると繰り返した。ロイアコノ氏と話した時に、同氏はOpenSolarisが「5〜6月に」リリースされると改めて語り、そのことを、Sunがどれだけ真剣に自社のソフトの(全部ではないにしても)ほとんどを何らかの形でオープンソースプロジェクトにしようと考えているかを示す証拠だとした。

 「今後を考えて、当社のコードベースをどれだけ多く、迅速にオープンソース機関に移行できるかを評価しているところだ。特定のソフトをオープンソースにするのかと聞かれたら、『われわれはSolarisでそれをやった。それで君はどう思う?』と答えるよ」(同氏)

 Sunがオープン性を強調する理由は単純だ。ソフトのライセンスは同社の長期的なビジネスモデルにおいて重要ではないのだ。実際、オープン標準はマクニーリー氏が考える「Sunの未来」――ネットワークに接続した顧客に、コモディティユーティリティとしてコンピューティングリソースを提供する――を築くためにSunが頼みにしているものだ。

 「電気はコモディティだ」とマクニーリー氏は語り、同氏が望むSunのビジネスとGeneral Electricのビジネスの共通点を挙げた。「しかし、電気を作り出す機器はコモディティではない」。ドットコムブーム時のように、同氏はSunがGoogleやAmazon、eBayが構築したような、アプリケーションとコンピューティングリソースをホスティングするグリッドを構築し、ネットワーク・Webサービス企業への機器サプライヤーになることを期待している。

 Sunの新たなネットワークサービス「Sun Connection」は、同社が販売するすべてのものが少なくとも一部顧客にサービスとして提供される世界に向けた最初の一歩にすぎない。パッチ・コンフィギュレーション管理サービスは、Sunの顧客を同社のサーバサービス――Sunが自分でホスティングするにしろ、コンポーネントをサービス会社に卸売りするにしろ――につなぐ第一歩でしかない。

 Sunが今オープンソースを支持している理由は、IBMやHPと同じだ。ソフトライセンスよりもサービスの方がもうかるからだ。違いはパッケージングにある。マクニーリー氏の言うSunのサービス構想は「何色でも手に入りますよ。黒しかありませんが」というもので、標準化によってサービスのコストを引き下げ、細かいことはSunのパートナー(NCイベントに集まった聴衆のような)に任せることになる。

 Sunの将来はITサービスの提供に牽引されることになる。ロイアコノ氏は、Sunがソフトを自由に使えるもの、そして(あるいは)オープンソースとして採用を促進し、ライセンスへの課金を減らすトレンドが続くと話している。これが真のビジネスモデルなのか、それとも避けられない状況に幸運を持ち込もうとしているのかはまだ議論の余地がある。

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