日立がOpen Middleware World 2005 Summerで語った9つの解

日立製作所は6月2日、同社のプライベートセミナーで基幹運用、構築の手法を明らかにした。セミナーの1つでは、日立グループ20万人を支えるコラボレーション基盤についても語られた。

» 2005年06月03日 10時20分 公開
[木田佳克,ITmedia]

 日立製作所は6月2日、東京青山ダイヤモンドホールで「HITACHI Open Middleware World 2005 Summer」を開催した。定期開催の同プライベートセミナーは、前回の2004年11月以来の7か月ぶりとなる。企業の経営層からマネージャー層をターゲットとしており、今回は基調講演にガートナージャパンから飯島公彦氏を招いた。続く9つのセミナーは構築と運用に大別され、それぞれは、ディザスタリカバリーソリューションを始め(関連記事)、クライアントセキュリティーへの取り組み(関連記事)、同社が捉えるSOAに基づくITシステムについて(関連記事)、複雑化するITシステムを管理する取り組み(関連記事)、などが語られた。

現代は攻めのシステム運用が必要となっており、一方でセキュリティも軽視することができない、と代表取締役 執行役副社長、情報・通信グループ グループ長&CEOの古川一夫氏

 基調講演冒頭で、代表取締役 執行役副社長、情報・通信グループ グループ長&CEOの古川一夫氏は、同社の情報・通信事業コンセプトである「uValue」について触れ、サービスプラットフォーム「Hormonious Computing」と共に現在のITシステムに課せられているビジネスの変化に対応するためには、オープンスタンダードなプラットフォーム(ミドルウェア)活用こそが欠かせないと言及した。

 基調講演で壇上に立ったガートナージャパン、リサーチディレクターの飯島公彦氏は、企業におけるビジネス指向のITシステムへの取り組みについてを触れた。飯島氏は、ガートナーが1996年に提唱したSOA(サービス指向アーキテクチャ)についてを振り返り、最近よく自身が聞くというSOAの定義についての疑問を払拭した。

定義ばかりに目を奪われてはならない。うまく業務プロセスを設計している企業では、SOAを意識せず構築しているところもある、とガートナージャパン、リサーチディレクターの飯島公彦氏

 当時はテクノロジーベースで語られていた指向だったSOAも、現在ではビジネスの仕組みも考慮するようになっている。アーキテクチャの位置付けが変わってきている、と飯島氏。

 また、SOAをシンプルに説明するならば、インタフェースをどうするか、それを実現するサービスをどう実現するかであると語る。また、粒度をどう考えるのかも重要な点と言い、業務や業界、アウトソースなどさまざまなケースを考慮すれば、SOAについてさまざまな見解があって当然なところ。定義は、粒度の議論を進めているようなものだと言及した。

 いま注目すべきことは、業務プロセスを見直すことであり、ロジックの変更、不変の見極めによって業務内容の吟味がSOAを意識しなくとも自ずとから同じ手法を取り入れることになる、という。

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