Microsoftパートナーが伝授するFOSSのビジネスチャンスMagi's View(2/2 ページ)

» 2005年06月07日 14時46分 公開
[Robin-,japan.linux.com]
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商談成立までの長く険しい道のり

 言うまでもなく、Fortune 1000企業におけるコスト削減と効率化に対する危機感は、小さな企業のそれと同じではない。自社のWebサーバの効率やセキュリティを高めたり、Webに関するコストを削減したりするために、それほど急いでFOSSに切り替えようとは思わないかもしれない。だが、遅かれ早かれ、融通の利かない経理担当者や株主たちも、安価なソフトウェアを採用する小さくて明敏なライバル企業の数がどんどん増えていくのを見れば、我が社はなぜ高価なプロプライエタリなソフトウェアを使っているのかと聞いてくるに違いない。FOSS企業の営業担当者は、Windowsを使っているFortune 1000企業のCIOやIT責任者によく名前を覚えてもらっておくとよい。機が熟したとき、腰を抜かすほど大きな「商談成立」だ。

 だが、実際にはそれほど簡単な話ではない。一般に、企業は規模が大きくなるほど動きが鈍くなる。Webサーバだけとはいえ、巨大企業にFOSSの採用を認めさせるには、多くの部門幹部に幾度となくプレゼンテーションを繰り返すのは当然のこと、数年に及ぶ営業努力が必要になるかもしれない。

 ITの変革に関して大企業の動きがどれだけ遅いかは、Port80の調査に回答した企業の10.8%が、Netscapeの古いWebサーバをいまだに使用していることからもお分かりいただけるだろう。

 商談成立までの道のりは長く険しいが、巨大企業へのLAMPベースのWebサービス導入に成功すれば、ベンダーの収益はかなりのものになる。たとえそのベンダー自身がHPやIBMなどのFortune 1000企業であってもだ。小規模なベンダやコンサルタントにとっては、Fortune 1000企業のWebサーバのほんのひとかけらの受注でも、とてつもない収益をあげることができる。プロプライエタリかFOSSかを問わず、非常に多くのソフトウェアベンダが長い時間をかけてこれらの巨大なターゲットを追いかけるのは、紛れもなくそういう理由からだ。

小さなチャンスを見逃すな

 Port80による調査はWebサーバ部門に関してだけではない。別のページには、"上位1000企業のアプリケーションサーバとスクリプトプラットフォーム"についての調査結果も示されている。このページに表示されるグラフには、43.6%がMicrosoft ASP.NETまたはASPを使用し、12.2%がJavaベースの各種プラットフォーム、PHPはわずか5.2%、そしてColdFusion、Perl、Pythonを使う企業の割合はさらに少ないとある。

 繰り返すが、Port80にとってMicrosoftは「勝者」だ。しかし、この調査結果を安価で柔軟なスクリプト環境にとってのビジネスチャンスと捉えることは難しくない。

 確かに、中にはWindowsとプロプライエタリソフトウェアはGNU/Linuxにかなわない、FOSSなどという駄作は、どうしたところで消えていくだけ、と言い張る企業があることも知っている。だが、自社のコストや信頼性、セキュリティについて自ら調査する若くてやり手のIT責任者は、Windowsを使用するFortune 1000企業にも大勢いる。彼らは常により高速で効率がよく、安価なソフトウェアツールを探し求めている。

 彼らがFOSSへの移行を決める可能性は非常に高い。偽りのない事実と統計情報を伝え、企業に出向いて実践的なデモを紹介しよう。トレーニングなどの知識不足を補う方法について担当者と話し合うのだ。そうすれば、やがてその努力が実を結び、FOSSベンダやコンサルタントがそろって満面の笑みを浮かべる日がくるだろう。

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