ここ一番の会議は「段取り力」で勝負一歩先を行くSEの頭の使い方(5/8 ページ)

» 2005年06月30日 12時02分 公開
[山崎 将志(知識工房),ITmedia]

DO:会議実施

 いよいよ、実際の会議である。事前準備がもれなく完了したら、会議が成功するか否かは、ファシリテーターの貢献によるところが非常に大きい。

 先述のように、ファシリテーターは、会議のアウトプットを最大化すべく、議論の中味に中立な立場で、論点整理と交通整理を行う役回りである。

 ここでは、会議開催時、会議中、会議終了前の3つのフェーズ別に、ファシリテーターの行動について説明していきたい。

オープニング

 会議開催時には、以下の4点に留意しつつ、会議資料1枚目につけてあるアジェンダに従って説明を行う。限られた会議時間中、目的に沿った有益な議論が行われるよう、冒頭で十分時間を取ってアジェンダを説明する必要がある。

 忙しいプロジェクトでは、事前の会議資料配布が間に合わず、会議開催時に担当者が資料をそれぞれ配るようなケースも多い。そういった場合にも、参加者がスムーズに議論に入れるよう、アジェンダを詳しく説明したいものである。

  •  趣旨説明

 PLAN:事前準備で詳述したように、会議には目的が最も重要である。

  •  各議題の説明

 既に、綿密に準備された各議題の説明を行う。ここでも、各議題の「ゴール」を参加者に十分理解してもらわねばならない。「案を話し合いたい」「お願いしたい」「決めたい」など、正確な表現を用いて、参加者間でゴールが共有できるよう、配慮すべきである。

  •  趣旨・議題に関する合意の確認

 一通りアジェンダを説明し終わったら、必ず「よろしいですか」と、一言確認の言葉を入れる。アジェンダ作成時と会議実施時との間にタイムラグがある場合、急遽予定していた優先順位が変更になるケースも少なくない。「最初の議題は、単なる検討ではなく、決定までしたいので、時間を多くとって一番最後に話し合いたい」「急にユーザーとの打ち合わせが入ってしまい、途中退出したいので、3番目の議題を最初にしてもらえないか」といった具合だ。

 こうした意見が出た場合には、まず参加者に意見を聞きいたうえで、必要であればアジェンダを変更する。

アジェンダに対してだれも異論がなくても、この一言により、参加者の主体性が尊重される雰囲気が醸し出されるものである。

  • タイムテーブルの確認

 最後はタイムテーブル(時間割)の確認である。変更があればそれを反映した上で、各議題の時間配分を説明し、会議全体の終了時間を確認する。特に、終了時間の確認は重要だ。たとえ紙に書いてあっても、ファシリテーターが口頭で説明することで、参加者の安心感が高まる。

 また、時間延長の可能性がある場合には、必ず触れておく。その場合も、最後の議題に参加が必要なメンバーを絞り込むなど、冒頭から会議に対するモチベーションを失わせない配慮をするなどの工夫が求められる。

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