シンプルな書類では、実務でよく使われる要素を配置してレイアウトの違いを調べた。OOoで作成した書類は、次のようになる。これをPDFファイルに変換したものも用意した(W_test1_OOo2MS.pdf)。
上記の文書を「Microsoft Word 97/2000/XP(.doc)」形式で保存し、Wordで読み込むと次のようになった。ほぼ問題なく表示されているが、「両端揃え」のタイトルが「左揃え」に変わってしまっている。そのほかには、特に問題は見つからない。
続いて、同じような書類をWord2003で作成した(W_test1_MS2OOo.doc)。
このdocファイルをOOo 2.0で読み込むと、ほぼレイアウトの違いは見られなかった。タイトルの均等割付も再現された。ただし、余白の設定値が違うためか、余白を示す枠の位置は違っていた。このファイルをOOoでPDFに変換した物はこちらになる(W_test1_MS2OOo.pdf)。
今度は、長文のレポートを作成してみる。13ページ分の分量があり、画像や箇条書きが含まれているサンプルだ(W_test2_OOo2MS.pdf)。
上記の文書を「Microsoft Word 97/2000/XP(.doc)」形式で保存し、Wordで読み込むと次のようになった。レイアウトには、ほぼ違いはなく、ページ数も同じになった。ただし、1カ所だけ画像とそのキャプションがページをまたいでしまった部分がある。
続いて、Word 2003で同じレポートを作成した(W_test2_MS2OOo.doc)。Word 2003の標準設定のレイアウトを使用したため、文章はすべて両端揃えになった。OOoよりも行間が広いので、ページ数は20ページになった。
このdocファイルをOOo 2.0で読み込んだところ、レイアウトに大きな違いは見られなかった。ただし、見出しの網掛け色の位置が上寄りになった。また、禁則処理はOOoで標準の「ぶら下がり」になってしまった(W_test2_MS2OOo.pdf)。
さて、OOoとWordを相互に利用する場合、サンプルのように単純なレイアウトであれば、ほぼ問題なく使えることが分かっただろう。段組やテキストボックスなどを多用する場合には、さらなる検証が必要ともいえる。読者には、移行判断材料として捉えてほしい。
新規にOOoを使い始める場合、社内報やカタログのような複雑なレイアウトを作成するならば、Writerよりも図形描画ツールであるDrawのほうが使いやすいという見方もある。そのファイルをPDFファイルに変換すれば、レイアウトの崩れを心配することなく文書を配布できる(draw_flyer.pdf)。
この特集「OpenOffice.org 2.0が変えるオフィスアプリ基準」の次回第3回目では、表計算「Calc」の互換検証や新機能レビューを行う。
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