トレーサビリティシステムが中堅中小企業の経営に与えるインパクト
トレーサビリティシステム導入によるメリットとしては、次のことが考えれます。
これらが企業の経営に大きく影響し始めました。
RFIDの現状、および、将来
これまでは固体識別番号を管理する媒体としてバーコードが使われてきましたが、情報量も大きくて、無線の特徴を生かしたICタグが媒体として着目されております。
つまりダンボールの中に入っている衣類製品に付けられたICタグを、ダンボールの外側から読めるようになったと言うことです。この機能が管理コストの低減につながるものとして注目されています。使用する周波数とアンテナの大きさによってICタグと交信できる範囲は5cmから5〜6mのものまであります。
ICタグは極小のICチップにアンテナを取り付け、センサーなどと無線で情報をやり取りする装置です。スーパーの商品に付ければ、出入り口に設置した読み取り機を通じて全商品の合計金額を計算することが可能で、レジが不要にもなります。消費社会が大きく変化する可能性が大きい代物です。
スピードの点で完成化はされていませんが、身近なところでは回転すし屋さんで「お勘定」と言うと見せの従業員が、お皿を5枚ずつ持って上からハンドヘルドの機械でなにやら読み込んでいます。あれはお皿の裏につけたすしの価格を5枚同時に読み込んでいるのです。
一方でICチップと情報を読み書きして活用する機能もあります。
大都市圏のJRの改札口では、定期券を改札の機械に通すのではなく改札口の機械に軽く触れて改札を済ませています。これもICタグの活用をしている事例です。
いつ、どの駅から乗り込んだのか。どの駅で降りたのかを確認する為にSUICAの定期券は機能しています。
またICタグを携帯電話に付けた「おさいふケータイ」も出現しました。預り金残高を記憶しておき、支払いに使用すると残高を書き換えていきます。
また商品トレーサビリティにはICタグの互換性が必要とされています。現在さまざまな周波数での実証実験がされています。何しろICタグとの交信は無線ですから、基本的には金属・水は不得手です。どうやってペットボトルに貼り付けたICタグを読むのか。満員電車の中の携帯電話で問題になっている、ペースメーカーへの悪影響はどうか。蛍光灯やエレベーターの作動時に発生する雑音の影響はどうか。プライバシーに関する問題はないのか等と、解決していかなければならない問題もいくつか残っています。(→後編へ)
先織久恒氏
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