北米もお粗末? Gartnerの調査で浮かび上がるデータ保護対策の実態(2/2 ページ)

» 2005年12月05日 08時51分 公開
[IDG Japan]
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 Gartnerの調べでは、IT管理者は、オフサイトでのデータ複製にマネージドストレージサービスを使用することを考え始めているという結果も明らかになった。

 Gartnerのクチュール氏は、過去2年間に実施した調査でサードパーティーのサービスプロバイダーを利用した経験がないと答えたIT管理者は、全体の30〜40%に及んだと述べている。しかし、直近の調査におけるこうした管理者の割合は、6%へと急落した。

 「マネージドサービスプロバイダー利用に対する抵抗感が非常に薄れてきていることが、今回の調査で分かった」(クチュール氏)

 2005年は多くのデータ消失事件が盛んに報道されたことから、IT管理者がセキュリティに優先的に取り組んでいる現状も、同調査の結果は示している。調査対象者の50%が全バックアップファイルを暗号化していると答え、バックアップデータへのアクセスに関する内部ポリシーを見直す予定だと回答した管理者も、やはり50%に及んだ。

 「サービスプロバイダーの遠隔バックアップサービスを使用する利点の1つは、複製の前にすべてが暗号化され、第三者がテープに直接触れたり、トラックで運んだりするということがなくなることだ」(クチュール氏)

テープ保管業者の見直し

 回答者の多くがサービスプロバイダーが負うべき責任についても大きな関心を抱いており、40%が物理テープを保管するサービスプロバイダーのポリシーおよび作業手順を再検討したいと述べた。さらに3分の1の回答者が、ほかのサービスプロバイダーへ移行する可能性があると答えている。

 テープの物理的な紛失はしばしば、多くの「人手」が関与するテープの物理的な輸送に起因している、とGartnerは報告書の中で指摘している。企業のデータ格納場所のスロットからテープを取り出して、物理的に離れたアーカイブ設備に向かうトラックまで運ぶ箱に入れたり、現地でストレージスロットに運び込んだり、再び戻したりしているのが実情だ。クチュール氏は、テープに直接触れる機会が排除されれば、ヒューマンエラーや盗難の可能性もなくなると述べた。

 こうした背景の下、調査対象者の35%がネットワークベースのバックアップへ、20%がD2D(Disk to Disk)ベースのバックアップへ移行する考えを示している。

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