こちらからも1つ聞いてみた。「ITベンダーも何か改善策を打たないのか?」
「よくぞ、聞いてくれた!」と業界くんの目が輝きだした。「今、CCベンダーは、“新CC”の提案を打ち出しているんだ。いわば“CC第2世代”だね。とにかく技術の進歩は早いから数年前に不可能だったことも安く簡単に実現できることが多い」
CC第2世代。例えば、どんなことが実現できるのだろう。
「インフラがブロードバンド化し、かつIP(Internet Protocol)網になって普及したり、ICの性能が飛躍的に増大したりしている。さらに、携帯電話の機能が向上した。音声認識やテキストマイニング技術も進歩している。ERPのように企業内のIT基盤が、業務連携、データベース連携型になってきた、などなど。こういう要因を組み合わせると、何ができると思う?」
ここで、また独演会が始まってしまった。
「例えば、ある大手ベンダーの第2世代型“CRMソリューション”(*1)がある。これには3つの新機軸が盛り込まれている。まず、ブロードバンドを使ってWeb画面を共有し、オペレーターの画像や書類などを表示する機能。何かの申込み書類を説明しながら代行記入するなんてことができるね」
2つ目は何か。
「2つ目は、オペレーターの応答通話を音声認識して、テキスト変換する機能。これは用途が広い。応答中のメモや記録を再入力する手間が省けるし、関連情報の検索にも使える。それに管理者もウォッチできて、“作動音が異常”など、過去のデータベースとマッチする言葉に引っかかった際にはアラームを出すこともできるでしょ」
それは便利そう。では、3つ目は?
「3つ目はテキストマイニング。ユーザーとの応答履歴データを解析して、マーケティングに使える有益な情報を拾い出す技術だ」
なるほど。話はまだまだ続く。
「それと運営形態の面でも、ASP型が増えている。サーバをコンタクトセンターではなく、ベンダー側のデータセンターに置き、ベンダーが運営管理する。CC側は、システムのお守りから解放されて対応業務に専念できるからね」
こちらが、「CCがあると安心だわい」などとのんきなことを言っているうちに、いつの間にかCC第2世代が始まっていたなんて……。どうやら、CC市場は思っていた以上にダイナミックに進化しているらしい。
次回からは、こちらもちゃんと勉強して知識を深めつつ、そのあたりを探ってみたい。
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