中堅・中小企業といえども、限られた世界でビジネスをしていてはもはや生き残ることはできない。社会、経済の変化、また会社を取り巻く経営環境の変化に対応できる仕組みが求められるのだ。
このような真剣勝負のビジネスの場に、PC文化が生み出したITマニアは必要ない。人的資源に限りがある中堅・中小企業ではなおさらだ。自社のビジネスプロセスを見直し、経営環境の変化に柔軟に対応できるITシステムを選択することが重要である。
ERPのもう一方のメリットとしては、最新のテクノロジーへの対応も、内部統制のような経営環境の変化への対応も、基本的にERP側がいち早く行ってくれることだ。特にSAPやOracleなどのERPベンダーは、ここぞとばかりにその対応をアピールしている。
そうした状況の中で、中堅・中小企業がさまざまな外部環境の変化に合わせてシステムを独自に更新していくとすれば、それは「竹槍戦術」と言わざるを得ない。つまり、ERPに自らのビジネスプロセスを委ねる覚悟を持った方がいい中堅・中小企業も決して少なくないのである。
現状の国内外のビジネスアプリケーションベンダーの特徴を考えると、大まかに国産ベンダーがカスタマイズのしやすさを、一方、外資系ベンダーがグローバルスタンダードを自社に取り入れられることをセールスポイントとして強調する傾向がある。いずれにしても、「PC時代」のように自ら情報システムを構築することは避けるべきである。
その意味で、1970年代から1980年代のオフコン文化への回帰が今の中堅・中小企業に求められている。もちろんオフコンを引き合いに出してはいけないほど、現在のERPは当時のパッケージソフトと比較にならないほど進化していることも事実だ。
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