Novellが新しいLinuxビルドサービスを発表――.NETと企業デスクトップを狙うLinuxWorld(2/2 ページ)

» 2006年04月04日 16時45分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
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 一方、Mono 1.2のβ版には、Microsoft Windows FormsのAPIが含まれるので、.NETのクライアントサイドアプリケーションを容易にLinuxに移植することができる。

 「これは、企業のIT部門やISVの開発者に、既存の.NETアプリケーションをホストするための代替選択肢を提供するだけでなく、Linux用の新しいデスクトップアプリケーションの登場の可能性を開くものである」と、Novellで開発プラットフォームを担当するミゲル・デ・イカーサ副社長は話す。同氏はMono Projectのメンテナーを務める。

 イカーサ氏によると、今年リリースされる予定のNovellの「SUSE Linux Enterprise Desktop 10」に含まれる各種デスクトップLinuxアプリケーションを開発するためにMonoが利用されたという。これらのアプリケーションには、音楽プレーヤーの「Banshee」、写真管理ツールの「F-spot」、デスクトップ検索ツールの「iFolder」と「Beagle」などが含まれる。

 今回のβリリースにおけるそのほかの改善点としては、プラットフォーム/ハードウェアサポートの拡大、仮想マシンのアップグレード、Javaサポートの強化のほか、パフォーマンス/メモリ消費/安定性の大幅な改善などが挙げられている。

 さらにNovellはLinuxWorldで、SUSE Linux 10.1の開発者向けビルドがすでに利用可能であることを明らかにした。標準の32ビットCPUのほか、AMDのAthlon 64、IntelのEM64T、IBMのPowerPCの各プロセッサに対応した最終版は、4月中にリリースされる予定で、www.openSUSE.orgから無償ダウンロードとして提供されるという。

 その後でリリースされるSUSE Linux 10.1のリテール版は、32ビットCPU、AMD AthlonおよびIntelのEM64Tプロセッサをサポートする。パッケージの内容は同じで、標準小売価格は59.95ドル。

 小売りパッケージには、インストール用のDVDとCD、ユーザーマニュアル、90日間のインストールサポートも含まれる。

 SUSE Linux 10は、オープンソースコミュニティーとの本格的なパートナーシップを通じて開発された最初のSUSE Linuxバージョンである。バージョン10.1には、オフィススイート「OpenOffice.org」の新バージョン、Webブラウザの「Firefox」、各種マルチメディアツールなど1500本以上のソフトウェアが含まれ、これらが単一の安定版ディストリビューションという形でユーザーに提供される。

 NovellでSUSE Linuxのチーフメンテナーを務めるアンドレアス・ジェイガー氏は、「SUSE Linux 10.1は、NovellおよびOpenSUSEコミュニティーのメンバーにとって転機となる成果だ。われわれはコミュニティーとの共同作業を通じて、はじめてのLinuxユーザーに最高のデスクトップ体験を提供するために、ディストリビューションのあらゆる要素を拡張・改善する一方で、経験豊富な技術者向けに最新のオープンソースパッケージの提供、ならびにその安定化と統合化の取り組みを続けてきた」と述べている。

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