新人SEの心得をまじめに論じる顧客満足度ナンバーワンSEの条件〜新人編(4/4 ページ)

» 2006年05月10日 08時00分 公開
[杉山 正二,ITmedia]
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さまざまな視点で物事を見て本質をとらえる努力をすること

 わたしはいろいろな立場や職業の人と仕事をしてきたが、物事にすぐ白黒を付けて二元論的にとらえたり、結論を急いだりする人が多い気がする。多くの場合において、「物事をさまざまな視点から見る訓練ができていないからではないか」と考えてしまうことが多い。

 SEはさまざまなお客様と仕事をしていくことになり、いろいろな立場やバックグランドを持った人とコミュニケーションし、解決策を検討していかなければならない。特にお客様とのコミュニケーションでは「相手の立場」に立ったコミュニケーションが重要になる。だが、どんなに頑張っても自分と相手は違うので、完全に相手の立場に立つことはできない。

 したがって、こういった場面に遭遇する前に相手の立場に立つシミュレーションを行っておく必要がある。そのためには、常日ごろから、自分と違う考え方やものの見方を、できる限り頭の中に入れて蓄えておくことである。この蓄えがあれば、物事を多面的に見ることができ、さまざまなお客様や上司とのコミュニケーションがうまくいくようになる。

 将来、優秀なSEとして活躍するためには、物事の本質をきちんととらえることが非常に重要にある。これができないと、日本版SOX法やWeb2.0などと一見新しそうな概念や言葉が出てくるたびに、それに振り回されて自らを見失ってしまう。物事の表面だけを見るのではなく、その下に隠されたものを見極める訓練を今から続けておこう。

 そのためには、先ほど話したように、物事をさまざまな視点から見るように心がけることと、「なぜか?」を問い続けることである。本質を見極める訓練の一つとして、上司が話した内容や自分が報告したい内容などを、できる限りシンプルな文章でまとめるといい。ワープロやプレゼンテーションソフトのアウトラインプロセッサを使うと便利だろう。アウトラインプロセッサを使うことで、物事の順序や上下関係を整理し、枝葉を落とし、何が重要なことなのかを考えようと頭を使うはずである。

 まだまだ書きたいことはあるが、皆さんに覚えておいてほしい心構えとして、特に重要と思われるものに絞って書いた。ここまで読み進めてきて、どのように感じたであろうか。優秀なSEになるには大変な努力が必要だと思われたかもしれない。でも、心配する必要はない。先輩SEもみな、毎日研鑽を続けながら、お客様とともに仕事を遂行しているのである。恐れずに頑張ってほしい。

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