「だからわたしはJavaオープンソース化の影響については心配していない。マイナス面よりもメリットと機会の方が多いと思うが、Javaコミュニティーの要望を尊重し、1人、2人、あるいは3人の人間がスタンドプレーをしたがっているというだけの理由で決定を下さないようにする必要があることも理解している」(シュワルツ氏)
Java世界で正しく理解されていないのが、2つの非常に異なる活動が行われているということだ。1つはGlassFishのようにコードを作成する活動。もう1つは、誰でも実装できるように標準化団体のJCP(Java Community Process)が仕様を定義するという非常に重要な活動だ。
「オープンソース世界でこれを効果的に成し遂げた者はまだいない。Javaをオープンソース化するのであれば、JavaOneで見られるコミュニティーを形成した互換性を尊重しなければならない」とシュワルツ氏。
Sunは商標法の下で互換性などの問題を防止してからJavaをオープンソース環境で繁栄させるべきだとの意見に同意するかと聞かれたシュワルツ氏は、おおむね賛成だとしながらも、ティッピング効果はソフト世界では厳然たる事実だと付け加えた。
Sunは革新を推進する動的なプラットフォームとしてJavaを後押しすることに以前から関心を持っており、積極的にそうしていると同氏は言う。このため同社はPHPやRuby、Perl、Pythonのサポートを取り込んできたし、NetBeansを非従来型環境に及ぶ開発プラットフォームとして推進し続けようとしているという。
Javaを収益化していないことでSunがウォール街から厳しく批判されてきた――これを受けてオープンソース支持者は、Javaを公開すればSunは同技術からさらなる利益を上げられると主張している――のはなぜだと思うかとの質問に、シュワルツ氏は、同社はJavaの新たな市場機会を促進するコミュニティーを慎重に育成しなければならないと語った。
「Javaがこれからも地面に落ちて割れてしまう水風船ではなく、コミュニティーにとっての泉であり続けるようにしたい」(同氏)
Googleにどうやって検索で利益を出したのかを聞くように、SunにJavaでどうやって利益を出したのかを聞いてみるといい。コンシューマーはお金を払っていないが、それがJavaの市場の作成、育成を可能にした。
「それこそまさに、われわれのJavaへの見方だ。Javaは各種システム間のやり取りを標準化して、誰でも参加できるようにする」(シュワルツ氏)
Sunはできるだけ広範で多様な顧客層に訴求する責任があり、同社はSolarisとOpenSolaris開発で使ったモデルに倣うだろうと同氏は語り、もっとも違いはあると付け加えた。
その1つは、SolarisはJavaと違って訴訟の対象になったことはないが、1つの企業(Microsoft)が約90%のシェアを持つデスクトップ市場はサーバ市場よりもずっと競争が少ないということだと同氏は語った。
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