ゴスリング氏率いるパビリオンウォーク、キーワードはJava-RTS2006 JavaOne Conference

19日まで米国サンフランシスコで開催中の2006 JavaOne Conference。協賛ベンダーが集うパビリオンでは、ユニークなプロダクトが目立っていた。Sunでフェローのゴスリング氏が、各国のプレス陣といっしょにブースを回った。

» 2006年05月17日 22時59分 公開
[木田佳克,ITmedia]

 米国サンフランシスコで開催中の「2006 JavaOne Conference」では、“スロットカーレーシング”が熱くなっている(関連リンク)。米Sun Microsysytemsでフェローのジェームズ・ゴスリング氏は、同氏のブログ上でJava-RTSを元としたユニークな試みを幾つも紹介している。

 その中でも、スロットカーを使った「JavaOne 2006 Slot Car Racing Challenge」のシステムは、同カンファレンスのパビリオンでも披露されていた(関連リンク)。会期最終日となる19日の基調講演には同氏が登壇するが、会場を沸かせるトピックとなるのだろうか。

 ここでのスロットカーとは、模型の車の下に電極があり、レールからの電力供給によって走る国内でもおなじみの玩具。30〜40代の男性ならば、遊んだ経験がある人が多いだろう(下写真)。

 ゴスリング氏もブログで取り上げる、これらのテクノロジーのひも解きには、リアルタイムJava(Java-RTS)と、その統合開発環境とするNetBeans 5.5がかかわっている(Slot Car Racing Challenge)。IDEのNetBeans 5.5βは米国時間15日に公開されたばかりだが、この統合開発環境でリアルタイムJavaがサポートされたことをユニークに紹介するのが狙いだ。

 開催初日の基調講演後には、会場内に隣接するパビリオンでトピックとなるプロダクトを、ゴスリング氏率いるプレス向けのブース観覧ツアーが開催された。

鉄道模型のNゲージを使ったリアルタイムJavaの実演「Java Model Railroading」
線路のポイントと停止位置での車両制御、そして信号表示が同期しており、2つの車両が単線上で衝突しないよう回避制御をして走る

 スロットカーのほかにも、Project Looking Glassを利用してユニークな「GoMonkey」(関連リンク)、同じくゴスリング氏のブログ上にも写真が掲載されている「Tommy」(関連リンク)の実車バギーも展示されていた。

 GoMonkeyは、人の手の動きをインタフェースとして関知させるもの。スクリーンの上部にセンサーがあり、動きを監視している。関連リンク先の動画を参照すると、そのスムーズな描画が感じ取れるだろう。

 Tommyは、実車となるバギーにJava-RTSを搭載して制御を行うもの。「DARPA Grand Challenge 2005」(米国防総省国防高等研究事業局主催)と呼ばれる無人ロボット自動車レースに、優勝賞金100万ドルを目指してチャレンジしたという。

 これらは模型やプロトタイプを用いたイメージがあるかもしれないが、その成果の最先端は、先ごろの火星探査機マーズ・エクスプロレーション・ローバーを地球から制御するシステムなどで応用が着々と進んでいる(関連記事)

パビリオン内でひときわ異彩を放つバギーのTommy。残念ながら走行模様は見られない
Tommyの内部にはマニア魂をくすぐるようなコックピットがある(写真の奥側)

 現在は、リアルタイム性についてJavaは比較的動き始めたばかりだが、Sunが掲げるイノベーションの一つとして今後注目されていくことが想像に難しくないだろう(関連リンク)

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