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» 2006年06月13日 14時39分 公開

Office 2007で「肥大化問題」に対処するMicrosoft

Office 2003で指摘されたアプリケーションの肥大化問題に対処すべく、MicrosoftはOffice 2007 Systemにおいて、新しいユーザーインタフェースの採用やコア部分での設計変更を行った。同社はOffice 2007がIT部門に与える影響に関して、「膨大なトレーニング負担が掛かることはない」としている。

[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 「Microsoft Officeの開発者たちは、製品の肥大化をめぐるユーザーの懸念に以前から気付いており、この問題に対処するために広範な調査とユーザビリティテストを実施してきた」――。6月12日にボストンで開催された年次開発者カンファレンス「TechEd」において、同社のインフォメーションワーカー製品管理グループのシニアプロダクトマネジャーを務めるマーク・アレクシーエフ氏は、このように語った。

 「この製品の前回のリリースであるOffice 2003に関しては、メディアやユーザーの間で肥大化問題を指摘する声が多かった。このためわれわれは、Office 2007 Systemのクライアントアプリケーションの設計目標として、ソフトウェアを使いやすくすること、ユーザーの作業を効率化すること、ソフトウェアの機能を見つけやすくすることに主眼を置いた」(同氏)

 Microsoftではこの8年間にわたり、肥大化問題に関する研究を続け、12億件のデータセッションを収集するなど広範なユーザビリティテストを行ってきた。「過去90日間だけでも、Microsoft Office Wordのコマンドバーについて3億5200万クリックを追跡したほか、6000件近くの個別データポイントの追跡を行った」とアレクシーエフ氏は話す。

 「その結果、多くのユーザーが最もよく利用するコマンド、そしてこれらのコマンドがどういった順番で使用されるかに関する情報が得られた」(同氏)

 Office 2007 Systemは、業務アプリケーション用エクステンションの開発促進に向けて進化したプラットフォームの要となるプログラムである。

 Office 2007では、新しいユーザーインタフェース、新しいアプリケーション機能、「Office Open XML」ファイルフォーマットが導入されるほか、「Office SharePoint Server 2007」との連携や配備/管理機能の改善なども実現される。

 アレクシーエフ氏は、新ユーザーインタフェースの詳細なデモも行った。このデモでは、ユーザーが行っている作業に応じて変化するツールバーを組み合わせた「リボン(Ribbon)」が紹介された。同氏によると、Office開発チームは、ドキュメントにフッターを挿入する方法など、これまでユーザーを混乱させてきた操作方法の修正にも努力したという。

 開発者がこれまで作成した既存のコードは、すべてそのまま使うことができ、新しいユーザーインタフェースデザインは、Officeおよびそれに関連する各種プログラムの間で一貫性のある開発モデルを提供するとアレクシーエフ氏は話す。またOffice 2007は、共通の開発シナリオに合わせて最適化されているという。

 「新しい拡張モデルであるRibbonXは、開発者が独自にタブを追加することや、既存のタブに項目を追加したり、Officeメニューに項目を追加したりすることを可能にする」と同氏は説明する。

 「追加したカスタム機能は、COMアドインの内部や新しいXMLファイルフォーマットの内部に埋め込むことが可能であり、いつプログラムを閉じるかといった調整を必要とする管理コードも存在しない」(同氏)

 新しいユーザーインタフェースについては、実際にうまく機能するのか、どういったトレーニングがどのくらい必要なのか、移行に際してヘルプデスクにどのような影響が及ぶのかなど、多くの懸念があったこともアレクシーエフ氏は認めている。

 しかしβ1をベースとした調査では、初期β版のソフトウェアに伴う多くのバグにもかかわらず、実環境調査の参加者の大半が新しいユーザーインタフェースを非常に気に入った、と同氏は話す。また調査参加者の大半が、新しいインタフェースに慣れれば生産性が上がると予測するとともに、1〜4週間で操作に慣れるだろうと答えた。

 Office 2007 Systemの投入がIT部門に与える影響に関して、MicrosoftではIT部門に「膨大なトレーニング負担」が掛かることはないと考えているとアレクシーエフ氏は話す。

 同氏によると、Office 2007 Systemのアプリケーションレベルのイノベーションは、以前のどのリリースをもしのぐものであり、「OfficeArt」グラフィックエンジンや、XMLの本格採用による新機能の実現など、コア部分での設計変更が行われたという。

 Word、Excel、PowerPointで採用される新しいOffice Open XMLファイルフォーマットは、既存のファイルフォーマットと100%の互換性があるとアレクシーエフ氏は話す。Office開発チームでは、従来版のOfficeをOffice 2007の新ファイルフォーマットでオープン/編集/保存することを可能にする互換性パックの準備も進めているという。

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