一方、ケータイ業界に詳しいライターの石川温氏はこんな指摘をする。「確かに、『コンテンツポータビリティ』という概念が出てきたときは、キャリアはあせったかもしれない。しかし、ソフトバンクがボーダフォンを買収したことで、キャリアは助かったと考えられる」。
つまり、ヤフーがソフトバンクモバイルという一キャリアにとって「専属的」な立場になり、3キャリアに対して中立的な存在ではなくなる恐れがあるため、キャリアを横断するプラットフォームの提供が「Yahoo! ケータイ」というキャリアビジネスと相反する可能性が出てきたということである。「Yahoo! ケータイ」の存在は、すでに絶対だ。だとすると、「Yahoo! コンテンツストア」の目論見は、はかない夢として終わりかねないのである。
ソフトバンクグループであるがために、ヤフーはややジレンマを抱えることになったのかもしれない。だが、ヤフーはそう考えていないようだ。そのジレンマは「調整できないことではない」と、久保田氏はいうのである(発売中の「月刊アイティセレクト」10月号第1特集「ケータイビジネスの地殻変動を追う! ケータイルネサンスは起こるか」より)。
※1 現在使用しているキャリアから別のキャリアに契約を変更しても、電話番号が変わらない制度。10月24日から始まる。メールアドレスや料金プランなどは新規契約先のものに準ずることになる。
※2 「月刊アイティセレクト」(当時は「月刊ITセレクト2.0」)の2005年2月号掲載のトピックス、同年12月号掲載の特集で扱った。
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