サーチテリアの首脳陣は、中橋氏を含めた4人の役員。実は、全員がオーバーチュア出身だ。つまり、インターネットの世界で検索連動型広告が活躍するのを直に体験している。そのため、「モバイルでも可能性があると思ったのが起業のきっかけ」(中橋氏)になっている。オーバーチュアでの経験は、新しい仕組みを築くこと以外に、企業としてのスタンスを考える上でも役に立っているという。
サーチテリアは媒体社でも広告代理店でもない。媒体社にはモバイルの検索連動型広告を取り入れてもらうように、代理店には広告主に売ってもらえるように説得している「モバイル広告の飛躍を支援する集団」(中橋氏)である。一言でいえば裏方だ。
モバイルにおける検索ニーズはまだ小さいかもしれない。しかし、グーグルなどの進出で今、大きな動きが起きていることは間違いない。パケット定額制の低価格・容量拡大がもっと進めば、そのニーズが増加するのは間違いないだろう。モバイルの検索連動型広告の成長の可能性には、非常に期待できるものがあるといっていい。サーチテリア自身、現在モバイルインターネット広告市場の1割ほどしかない検索連動型広告の市場は、2年後に同32%になると予測している。裏を返せば、そこまで引き上げる先導役になるという自信の表れだろう。
サーチテリアは、ポータルやメディアを持たないため、「中立の立場」(中橋氏)にあるといえる。そういう意味では、一概にはグーグルやヤフーが競合だとはいえない。そのことを踏まえて、メールで質問してみた。
「グーグルやヤフーに勝てますか?」
「〈冒頭略〉…勝ち負けというより共存しつつ市場全体を拡大していくことが最重要課題です。もちろん僕らとしては負けないようにがんばりたいと思っています」(代表取締役ビジネスデベロップメント担当の三浦光氏)
(「月刊アイティセレクト」11月号のトレンドフォーカス「グーグルもヤフーも太刀打ちできない!? 検索連動型広告がケータイで活躍中」より)
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