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» 2006年11月06日 08時48分 公開

内部統制が追い風のSAPジャパン、2007年にはビジネスプロセスの専門家コミュニティーも開設へ

SAPジャパンは第3四半期、好調な業績を記録した。内部統制が明らかな追い風となっている。エンスリン社長は、ビジネスプロセスの専門家づくりに取り組むことも明らかにした。

[浅井英二,ITmedia]

 第3四半期、日本市場において前年同期比65%増という好調な業績を記録したSAPジャパンは11月2日、都内のオフィスで社長懇談会を行い、成長の要因を説明したほか、明確になったmySAP ERPのロードマップについて強調した。

 「1月から9月までのソフトウェアライセンス売り上げも為替変動分を除いた前年比で19%増となった。就任当初は、“日本はなぜ、米国に比べて成長率が高くないのか?”と聞かれたが、第3四半期の業績を見てもらえば、ほかの地域と同等以上の成長を遂げていることが分かるだろう」と話すのは、2005年8月からSAPジャパンを率いるロバート・エンスリン社長。CRM、SCM、およびNetWeaverの売り上げが大幅に伸び、その成長を支えたという。

ロバート・エンスリン社長

 エンスリン氏はまた、内部統制対策などの案件増加が貢献したとも話す。

 「内部統制も明らかな追い風となった。SAP製品を使うことで恩恵があることを顧客も理解してくれている」とエンスリン氏。

 彼がSAPジャパンの社長に就任して、取り組んだ施策のひとつに「バリューエンジニアリング」による営業支援だった。バリューエンジニアリングは、SAP製品導入によるコスト削減や売り上げ増などの効果をプロジェクトの企画段階で算出するサービス。2002年から米国では展開されていたが、日本市場で正式にサービス提供が始まったのは、今年に入ってからだ。1月に設立されたバリューエンジニアリング本部は、当初8人でスタートしたが、現在は15人とほぼ倍増している。

 「SAPからどんな価値を引き出すことができるか? 顧客の経営陣らに明確に示すことができる。すでに100件以上の日本版SOX対応の評価を実施した」とエンスリン氏は話す。

アーキテクチャーとプロセスの専門家が重要に

 9月中旬のTech Ed '06 Las VegasでSAPは、約500に上るエンタープライズサービスの定義がリポジトリからアクセスでき、その実装である「mySAP ERP 2005」を2010年まで継続して提供することも明らかにしている。エンタープライズSOA実現のための安定したプラットフォームとすることが狙いで、新しい機能やエンタープライズサービスは、拡張パッケージとして提供され、顧客企業は選択的に適用できるという。

 「顧客は、明確なロードマップが得られる。mySAP ERP 2005であれば、大きなバージョンアップをせずに次の5年間使い続けられる。Oracleのように次世代アプリケーションの最初のリリースを2008年まで待ってくれ、ということはない」とエンスリン氏。

 今は約500のエンタープライズサービスにアクセスできるmySAP ERP 2005だが、順次拡大するとともに、コンポジットアプリケーションであるxAppsの開発も促す。mySAP ERP 2005は、ISVや顧客らとともにイノベーションを実現していくビジネスプラットフォームでもある。

 「さまざまなエンタープライズサービスが用意され、どう開発するかではなくどうアッセンブルするか? に変わっていく」(エンスリン氏)

 SAPでは、ビジネスとITの橋渡しを担うビジネスプロセスの専門家らを対象としたオープンなコミュニティー、「Business Process Expert Community」も開設している。5月のSAPPHIRE '06 Orlandoで発表され、すでに3万人を超える参加者を集めている。ちなみに日本人の登録者も450人を超えているという。

 エンスリン氏は、「将来は、アーキテクチャーとプロセスのエキスパートが必要になる」とし、2007年には日本でも同様の取り組みをスタートさせたい考えを明らかにした。

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