KDDIがau携帯電話の夏モデル15機種を発表した。1セグの新テーマやブランドコラボレーションを強く打ち出し、GPSにも新サービスが登場する。
KDDIは5月22日、au携帯電話の夏モデル15機種を発表した。auが強みとするワンセグやブランドコラボレーション端末が登場するほか、GPSではネットワークに依存しない新サービスを開始する。新端末は、6月上旬から順次発売される予定だ。
コンシューマ事業統括本部の高橋誠統括本部長は、「1人1人ユーザーのライフスタイルを演出する携帯電話のあり方を追求した」は、au夏モデルのコンセプトを説明した。
注目の1セグ対応端末は、「防水」「スリム」「高性能」をコンセプトに7機種がラインアップされた。同社の1セグ端末は既存の14機種と合わせて21機種が出揃い、「利用シーンに応じた端末を選べる」(高橋氏)という、NTTドコモやソフトバンクを大幅に上回る構成となっている。
防水仕様の「W53SA」「W52CA」は、IPX5/IPX7の防水基準に適合して入浴時など日常のあらゆるシーンでの1セグ視聴を可能にするという。「1セグは厚い」という従来のイメージを覆すことを狙ったスリム型端末は、本体の厚さが「W52SH」で17.6mm、「W53T」で18.0mm、「W52SA」で18.7mmといずれも薄く、女性にも使いやすいサイズをデザインを特長している。
高性能モデルの「W54T」は、ノートPC「Qosmio」や液晶テレビ「REGZA」で培った高画質化エンジンと3型ワイドVGA液晶を搭載して、屋外でもダイナミックなテレビ視聴を楽しめる。また、「W52H」は広視野角に優れた2.9型ワイドQVGAのIPS液晶ディスプレイを搭載する。2機種とも1セグに加えてデジタルラジオにも対応した。
ブランドコラボレーションモデルとして展開するのが、ウォークマンケータイの「W52S」とデジタルカメラ「EXILIM」を融合した「W53CA」の2機種。W52Sは、本体に2GBの大容量メモリを搭載し、と最長110時間の連続再生が可能だ。自動車での利用に便利なFMトランスミッターも搭載する。W53CAは、約515万画素のカメラ機能を持ち、手ブレ補正や自然に色を鮮やかに補正する独自の「EXILINMエンジン for Mobaile」を搭載する。
このほか、スリムデザインやカスタムジャケットなど生活を彩るスタイリッシュモデルとして「W52P」「W53S」「W44K II」(カスタムジャケット非対応)、使いやすい操作性を目指した「A5526K」、海外対応モデルの「A5527SA」、音声読み上げや文字の大型表示に対応した簡単ケータイ「A5528K」をラインアップしている。
GPSサービスでは、従来の「EZナビウォーク」「EZ助手席ナビ」「安心ナビ」に加えて、携帯電話サービスエリア外でも利用できる「EZガイドマップ」と「災害時ナビ」を新たに開始する。
従来のサービスでは、移動中は常に地図データをサーバからネットワーク経由で取得する必要があるため、サービスエリア内でしか利用できない制約があった。新サービスでは、予め地図データを端末内に保存してことで、サービス圏外でもGPSによるナビゲーションが行えるという。
KDDIでは、自立測位機能の「Standalone GPS」と柔軟な縮尺変化に対応した「SVG地図ビューワ」をオープンプラットフォームとして公開し、さまざまなコンテンツプロバイダーを地図ナビゲーションサービスを展開していくとしている。
EZガイドマップはサービスポータルとなるもので、EZガイドマップを通じて、登山ガイドや街案内、釣り情報などのコンテンツを利用できる。災害時ナビは、緊急災害時に携帯電話の通信が利用できなくても避難情報を利用できるもの。夏モデル11機種には全国の広域避難場所の地図データが2000カ所以上プリセットされており、災害時には最寄りの避難場所まで誘導してくれる。また、有料ながら帰宅支援マップサービスも提供し、会社から自宅までの避難ルートをナビゲートしてくれる。
地図データの更新は当面ユーザー自身で行っていく必要があるが、将来的に自動更新に対応させる方針だ。常に最新の地図情報を利用できるようにすることで、「安全で快適なナビゲーションを目指す」という。
au夏モデルは、従来からの機能を大幅に進化させた点が特徴で、CDMAの高速通信規格「Rev.A」対応モデルは登場せず、秋・冬モデルで投入すると高橋氏は説明する。また、NTTドコモやソフトバンクモバイル、ウィルコムがすでに展開するスマートフォン市場にKDDIも参入する考えを明らかにし、「近日中に発表できる形で開発を進めている」(高橋氏)と、同市場への展開を発表した。
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