一生懸命はいいからキチンとやってくれ!――ITに“使われないように”オルタナブログ通信(2/2 ページ)

» 2007年05月25日 13時29分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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日本はITに投資する気が希薄(代替案のある生活)

 高橋徹氏「代替案のある生活」に、衝撃的なエントリが投稿された。日本はITに投資する気が希薄というのだ。

 日経産業新聞に書かれた世界のIT投資マインド情報で、日本が最下位になったという記事を受けての投稿だ。まさか最下位だとは……。最近はかなり企業におけるITに対しての理解が強まったかと考えてはいたのだが、世界における日本のかかわりは低下の一途なのかと、いささか悲観的になってしまう。

 その一方でインターネット上のサービスには、「完成」という一線が見えづらい。いや、その段階では完成したと思っても、すぐにコモディティー化され、競争力が低下してしまうことが多い。常に投資をしなければならない分野だ。

 そのいちばん良い例が、ポータルサイト。各種のポータルサイトは、常に進化とともにあるといってもよい。逆に言えば、進化を止めた途端、サービス休止や過疎化へ向けたカウントダウンが始まってしまう。現状維持は、数年先の低迷を物語ってしまう。

 関口伸子氏「SBCrオルタナ出張校正室」に投稿された日々進化するYahoo! JAPANの公式ガイド本は、そんな一幕を垣間見せてくれるエントリーだった。関口氏は編集者として、ヤフー公式ガイドを担当したわけだが、制作している間にもバージョンアップされていくことに触れた。校了まじかまで最新情報への差し替えが続いたという。

GoogleがFeedBurner買収するんじゃないかという話とmodiphiのリリースの関連性(modiphi to be modified ASAP)(Speed Feed)

 インターネットにおけるサービス提供に苦悩するのが小川浩氏の「Speed Feed」からうかがえる。その投資元であるサンブリッジの祐川京子氏「祐川京子のブログ」でも、何度となく触れられているが、小川氏はRSSフィード形式による情報共有サービス「modiphi」の開発プロジェクトにかかわっている。

 この「modiphi」記者会見の様子は祐川氏によるRSSフィード形式による情報共有サービス“modiphi”ベータ版を本日公開というエントリーを読めばよい。もちろん、小川氏もmodiphi(モディファイ)ベータ公開として投稿している。

 しかし、小川氏は続いてGoogleがFeedBurner買収するんじゃないかという話とmodiphiのリリースの関連性(modiphi to be modified ASAP)という、エントリーを投稿した。ここでは、今回β公開した「modiphi」はまだ使いづらいとし、「ベータとはいえ、限りなくアルファに近い状態であるとは認めざるを得ない」と告白している。しかし、この段階で公開しなければならなかった、とも付け加えている。つまり、「多少無様でもいま旗揚げしていかないと、群雄割拠の時代になってしまえば遅れをとる」とコメントしている。

 ネットサービスとは、このようにして日々成長を続けることが命題となっているが、その行き着く先は何処なのか。注視するとともに、その中で「使われないように」注意したい。

仕事の管理で効率を上げ、将来を変える〜忙しさに埋没しない7つの基本〜(けんじろう と コラボろう!)

 「使われないように」ということでは、吉田賢治郎氏「けんじろう と コラボろう!」にも興味深いエントリが投稿されていた。

 ずばり仕事の管理で効率を上げ、将来を変える〜忙しさに埋没しない7つの基本〜

 筆者は、比較的時間管理が理想的ではない口であるが、どこかで歯車がズレてしまうと、うまくいかないケースが出てしまうのも事実だ。何とか元に戻そうとするのだが、いちど狂った歯車は、なかなかうまく調整できないこともある。抽象的すぎて分からないかもしれないが、吉田氏のエントリーを読めば、その真意を理解してもらえるかもしれない。

 吉田氏が提示した7つの基本は、すべてが自分に応用できるかどうかは分からないが、ハッとするものがあった。時間がうまく使えないという人はぜひ、このエントリーを読んで、実践してみるとよいだろう。

失敗で得た教訓をどう活用するか(一般システムエンジニアの刻苦勉励)

 「人間は考える葦である」とは、フランスの哲学者パスカルの有名な言葉だ。しかし、最近のニュースを見ていると、人間は考えることを止めてしまったのではないか、と思うことが多すぎて困る。

 山口陽平氏「一般システムエンジニアの刻苦勉励」に投稿された失敗で得た教訓をどう活用するかは、改めてそのことを考えさせてくれた。

 例えば事故や事件などといったことが起きた場合、それに対処した時にきちんとデータベース化しておけば、同じ失敗を繰り返すことなく、新たな事故や事件を防ぐことが可能になるはずだ。それが明らかに希薄になっていると感じることが多い。

 しかし、上層部や現場サイドが情報を握り潰し、データが蓄積されなかったらどうなるか。

 実際はそうなのだ。前述したように、日本のIT投資マインドが低い。別にITでなくてもいいのだが、やはりデータを集積し、それを分析して利用するのにITは必要不可欠だ。本来は国として取り組むべきなのだろうが、それができないところに、いまの行政府の弱点があるのかもしれない。

一生懸命やれば良い、というものでもない(「走れ!プロジェクトマネージャー!」)

 一生懸命――実にいい響きの言葉だ。一生懸命にやることは、決して悪いことではない。必要なことだ、と思っている。だから、大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」一生懸命やれば良い、というものでもないを見た時、正直驚いた。

 しかし、大木氏の論は非常に分かりやすい。「一生懸命やらなくて良いから、ちゃんとやってくれ。」

 確かに、企業において必要なのは、一生懸命さではないかもしれない。重要なのは正確さだ。例え一生懸命取り組んでも、まったく仕事がまっとうできなければ意味がない。冒頭で触れたトラブルも、システム管理者がしっかりと対応していれば起きなかったかもしれない。

 しかし同時に、酒井秀夫氏「アセンディア酒井の大分・福岡・東京の三都?往復日記」に書かれた一生懸命やらなきゃ何も生まれないにも共感するところがあった。

 一生懸命さか、効率の良さか。バランスが重要なのも周知の通りだ。

 以前、ユーザーサポートのことに触れたが(関連記事)、それに呼応するかのように川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」に、ユーザーサポートの平日9時−5時を打破して欲しいが投稿された。

 こうしてみるとユーザーサポートは、効率の良さを軸にしているのかもしれない。確かに、非効率的にやっていては、とてもじゃないが企業としては取り組んでいけないはずだ。そのバランスをどのようにコントロールしていくのかが、今後の肝と言えようか。

 そして北添裕己氏「トラパパ@TORAPAPA」に投稿されたランチタイムに電話がかかっってくる・・・は、単に愚痴というよりも心の叫びのように聞こえてしまい、共感せざるを得なかった。

 小林啓倫氏「シロクマ日報」たまには、ゆっくり歩こうではないが、一生懸命になるがゆえにセカセカせずに、たまにはゆっくりと歩いてみるのもよいかもしれない。適度なウォーキングはメタボ対策にもなるし、一石二鳥ではないだろうか。

未だ「北京石景山游来園」への関心薄れず

 最後に、5月14日〜5月20日の週間アクセスランキングから注目すべき点に触れたい。

 2週連続1位だった「北京石景山游来園(ニセディズニーランド)と知的財産」(情報インフラ24時 眠らないシステム)が、今週になっても2位という位置に残っているのが驚きだ。いまだ、インターネット上では検索キーワードとしても比較的上位なのだろうか。

 この話題は「著作権」とも絡みのある話題だったが、ベスト10内には、ほかにも「「Winny」を使った公衆送信権侵害事件について」(愚直なまでも著作権)や、今回取り上げたCDの物々交換関連のエントリ「CDの物々交換サービスの適法性について」(栗原潔のテクノロジー時評Ver2)などもランクインしていた。

 また前回2位に入っていた「Windows Updateには、困ってしまう」(ITコンシェルジュの Try ! & Error ?)が、入れ代わる形で1位になったのも注目だ。

 さらに、先週の連載記事で取り上げた「有名人がmixiに参加するリスク(元モーニング娘。メンバーの例)」(情報インフラ24時 眠らないシステム)や、「あきらめないということ。」(Speed Feed)もベスト10内に入っていたのは、注目点が合致したようで素直にうれしかった。

 以上、5月17日から23日にかけてのオルタナティブ・ブログに投稿されたエントリーから、筆者が気になったものをピックアップしてみた。

 オルタナティブ・ブログには、数多くの興味深いエントリが投稿されており、ここで取り上げたのは、ごく一部にすぎない。ぜひ、本記事を通して興味を持つものがあったら、本投稿を読んでほしいと思う。

 オルタナティブ・ブログを読む際の参考としては、まず「ブロガー一覧」を見てみよう。各ブロガーの最新投稿タイトルが表示されており、そこから自分の興味があるエントリーを探すのもいい。そこからお気に入りブロガーを見付けられるかもしれない。また、「最新投稿一覧」から、オルタナティブ・ブログ全体の最新投稿記事をRSSリーダーなどでチェックするのもよいだろう。

 また、気付いている読者もいるかもしれないが、5月23日から、オルタナティブ・ブログの各エントリの本文直下に、ITmedia記事へのキーワードリンクが追加されるようになった。ぜひ活用していただきたいと思う。

 ITの今を知る、新たな発見があるに違いない。

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