エンタープライズ向けの製品ではMicrosoftに先んじてハイパーバイザ方式を取り入れたVMwareは、次のステップへと進みつつあります。
VMwareは9月11日、同社が開催するユーザーカンファレンス「VMworld 2007」で仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server 3i」を発表しました(関連記事参照)。
これまでのVMware ESX Serverでは、仮想化を実現する「VMkernel」と、インタフェース部分にRed Hat Enterprise Linux 3(RHEL3)をベースとするサービスコンソールが動作していました。発表されたVMware ESX Server 3iは、このサービスコンソールを省いたことで、フットプリントのサイズがこれまでの約2Gバイトから32Mバイトにまで軽量化されました。
RHEL3ベースのサービスコンソールが除かれたということは、セキュリティパッチの適用や、初期導入時の手間などを省くことができ、運用面、セキュリティ面の負担から解放されることになります。単に軽量化されたことがポイントなのではありません。同社によると、これまでのVMware ESX Serverで提供されているセキュリティパッチの大半はサービスコンソールの部分だったというので、そうした手間が省けることになります。
サービスコンソールを省いたことで、どう管理するんだ、という点については、基本的には同社の管理ソフトウェア「VMware VirtualCenter」で行えると思われますが、CIM(Common Information Model)のサポートも表明されていることから、サードパーティーなどの管理ソフトウェアでも管理できることでしょう。
そして何より、同製品は年内のリリースが予定されていることです。IBM、Dell、HPといったサーバベンダーからVMware ESX Server 3iを搭載したサーバが年内には登場してくるとみられています。
パフォーマンスに優れたハイパーバイザ方式で、しかもすぐに導入したいということであれば、これまで述べてきたような理由からVMwareが現実的な選択肢であるといえるでしょう。ただし、1、2年先を見据えたシステム構築を検討されているのであれば、Microsoft製品や、XenSourceを買収したCitrixの製品も検討されることをお勧めします。
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