WiMAX派の2陣営が計画を発表、サービス開始は2009年3月から(2/2 ページ)

» 2007年10月11日 22時20分 公開
[國谷武史,ITmedia]
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 アッカ・ワイヤレスには、アッカ・ネットワークスおよびNTTドコモに加え(関連記事)、新たにTBS、三井物産、Korea Telecom(KT)、京浜急行、アイテック阪急阪神、朝日ネット、NECビッグローブ、ソネットエンタテインメント、ニフティ、フリービット、YRP事業開発研究所、JPモルガン証券、イグナイトグループ、DCMの資本参加が発表された。

アッカ・ワイヤレスの事業計画

 アッカ・ワイヤレスは、2009年3月のサービス開始を予定し、開始当初のサービスエリアは、首都圏(国道16号線以内の地域)と大阪、神戸、京都、名古屋の各都市を計画する。2010年に人口カバー率50%、2013年には同70%とする予定で、2015年までに総額2000億円を投資して設備を拡張させていくという。

 アッカ・ワイヤレスの木村正治社長(アッカ・ネットワークス社長)は、「ドコモから無線技術および基地局整備の両面でサポートを受け、アッカの固定通信サービスとも融合した新しいサービスを、誰もが享受できる形で実現したい」と抱負を述べた。

事業説明を行う木村社長とNTTドコモの中村維夫社長(右)

 アッカ・ワイヤレスのサービスは、MVNO経由に加えて同社自体でも端末の販売などを計画するほか、ユーザーがMVNO各社のサービスなどを1つのIDで利用できるように共通のサービスプラットフォームも提供する見通し。これにより、登録したIDを用いてサービスや端末の利用開始手続きが簡単に行えるという。利用料金は定額制を予定する。具体的な金額は明らかにしなかったものの、「PHSや3Gのデータ通信カードを利用する場合よりも、はるかに安価なプランとしたい」(木村氏)という。

 出資各社の役割は、ISP各社がMVNOとしてエンドユーザー向けのサービスを提供するほか、三井物産がMVNO各社の課金・決済業務などを代行する「MVNE(仮想移動体通信サービス提供者)」サービスを行う。また、WiMAXインフラを利用してTBSが番組コンテンツの配信事業を計画するほか、京浜急行とアイテック阪急阪神は鉄道施設の保守・管理や沿線の情報サービスを行う。

 KTは、すでに4月から「WiBro」(ワイブロ)の名称でWiMAXサービスを開始しており、アッカ・ワイヤレスとは国際ローミングサービスの実施と同社への出資を検討。KTとドコモは携帯電話事業で提携しており、WiMAXでの端末や基地局設備など共同調達を行って、コスト削減を進めるという。

 KTのピョウ・ショウヨン専務は、「当社とドコモは、米Sprint Nextelとも協力しており、3社で日米韓の国際ローミングサービスなども検討していきたい」と述べた。

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