環境に優しいDell、Re-Generationでアクションを起こせOracle OpenWorld 2007 San Francisco Report

Dellのマイケル・デル会長兼CEOは米国時間11月14日午後、「Oracle OpenWorld San Francisco 2007」の基調講演に登場し、この1年間は大きな変化があった激動の日々だった、と振り返る。

» 2007年11月15日 19時04分 公開
[谷川耕一,ITmedia]

 「Oracle OpenWroldのステージも今回で6回目。昨年からこれまで、すさまじく忙しい1年間だった」── Dellのマイケル・デル会長兼CEOは米国時間11月14日午後、カリフォルニア州サンフランシスコで開催されている「Oracle OpenWorld San Francisco 2007」の基調講演に登場し、この1年間は大きな変化があった激動の日々だった、と振り返る。

CEOに復帰し、慌ただしく1年を過ごしたデル氏

 特にデジタルワールドで存在感を増しつつあるのが、アジアだと指摘する。「新規ユーザーの4分の1はアジア地域からだ」とデル氏。また、2007年の段階で生み出されるデジタルデータの量が、既存のストレージの容量を既に超えており、これが2011年にはさらに6倍に膨れ上がるとみる。

 「2011年には1兆Gバイトくらいのデータ量となるだろう。現在、1分ごとに6時間分のビデオデータがYouTubeにアップされている」(デル氏)

 この状況を放置してしまうと、サーバとストレージが無限に必要になってしまう。そうなれば、電力消費量の増大、データセンターのスペース不足といった問題が発生する。これを解決するには、ITの複雑性を排除する必要があるとデル氏は指摘する。

 この複雑性を排除するための、1つの重要な技術が仮想化だという。

仮想化環境をリアルデモ

 「DellとOracleは、Oracle VMとOracle Enterprise Linuxを含む仮想化の認証構成をいち早く提供する」とデル氏。

 実際に4ソケットのサーバ2台をステージ上に用意し、Oracle VMのハイパーバイザーの上にゲストOSとしてOracle Enterprise Linuxを搭載し、その上でOracle Database 10gとReal Application Clustersを稼働させる構成でリアルなデモを行った。

 擬似的にトランザクションを発生させ、トランザクションを継続したままの状態で、ある仮想マシンから別の仮想マシンを移行してみせたのだ。移行を行ってもトランザクションは継続し、移行そのものの時間は35秒足らずで終了する。こういった仮想化の技術があれば、データセンターが抱える複雑性から発生する課題を解決することが可能だという。

Re-Generationで地球を活性化

 Dellは、ここ最近グリーンITに注力している。

 「2008年までに、われわれはカーボンニュートラルな企業になる」とデル氏は宣言する。

 そのためには、すべてのものが還元されるようにならなければならないという。「ただ黙って待っているのではなく、Re-Generation(次の世代への還元)のためにみなさんもアクションを起こしてほしい」と会場の参加者に呼びかけた。

 すべてのものを地球に還元するために、Dellでは鉛を含まない製品づくりや、電力効率に優れたハードウェアなどの開発に注力するという。

 「Dellの経営の中で、今では環境保護の優先度が高まっており、そのための取り組みを積極的に行っている」とデル氏が発言すると、会場からは大きな拍手が沸き上がった。

 環境保護を実践するため、Dellは顧客の声に耳を傾けるという。ネット上で意見を募り、議論する「Idea Strom」も、そうした取り組みの一環だ。

 ナンバーワンのIntelプラットフォームベンダーとなったDellだが、今後は「環境に優しい」ということをどのようにして具現化するのだろうか。ボリューム販売のビジネスモデルから、環境に優しいことを付加価値にできるかが、今後のDellのビジネスの成否を握っている。

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