仮想オフィスで共同プロジェクト――日立ソフトが新サービス

日立ソフトは、ネットワーク上の仮想オフィスで業務ができる「Secure Project Office」を開始した。複数企業の共同プロジェクトに活用できるという。

» 2007年12月11日 16時25分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日立ソフトウェアエンジニアリング(日立ソフト)は12月11日、ネットワーク上に構築した仮想オフィス環境を提供する新サービスを開始した。M&A案件など複数の企業が参加する共同プロジェクトで、人員移動や設備などのコストを削減できるという。

単一グループから規模の大きなプロジェクトでは複数の小グループにも対応。各グループの業務環境を仮想的に構築する

 新サービスの「Secure Project Office」は、日立ソフトの仮想化サービス基盤「Secure Online」とVPN、シンクライアント化技術を組み合わせ、利用者グループのみがアクセスできる仮想的なオフィス環境(クライアント、メールサーバ、ファイルサーバなど)を、ネットワーク上に構築する。仮想オフィス内では、仮想デスクトップでの作業やファイル共有、文書管理、メールの送受信などができる。

 利用者は、社外に移動しなくても、自社のPCに専用のUSBキーを挿入してVPNを構築するだけで仮想オフィスにアクセスできる。自前のPCをシンクライアント端末化し、仮想オフィスのPCを操作する仕組みだ。仮想オフィス内には、個別業務ごとに「Secure Project Room」を設置でき、大規模プロジェクトなどでは、部門単位で仮想オフィスも設置できる。

ユーザーは、専用のUSBまたはCD-ROMから接続ソフトを起動して仮想デスクトップを利用できる

 利用用途は、システム開発案件や企業のM&A、新規事業開発など、複数の企業が参画するプロジェクト。プロジェクト用のオフィスを構える手間がかからず、メンバーがオフィスを移動する必要もなくなる。機密情報を仮想オフィス内に格納でき、外部への情報漏えいを防げる。プロジェクトの存在を外部に知られるリスクも軽減できるとしている。

 料金は5ユーザーがクライアントとファイル共有機能を利用する場合、初期費用6万円、月額利用料23万2500円から。都心部で70平方メートル前後の広さのオフィスを借りる場合、賃料は月額数十万円(立地、築年数による)にもなるため、大幅にコストを削減できるという。仮想オフィスは、申し込みから3営業日以内に用意される。

 セキュリティサービス本部長の中村輝雄氏は、「1カ月単位で利用でき、光熱費などもかからない。協力会社が遠隔地にある場合や、オフィス構築を急ぐ場合にもすぐにセキュリティの高い環境を提供できる」と話している。

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