今後QRコードはどのようなビジネスを生み出すのか。
「航空業界では、紙の航空券をなくすためにQRコードを導入している」(IT DeSign広報)。「QRコード経由で大学が入試情報を提供したり、ドナーカードにQRコードを掲載したりしている」(水島氏)――チラシやポスターなどにQRコードを印刷すればいいというビジネスモデルは薄れつつある。
「トレーサビリティの観点からQRコードの利用を考えるメーカーや業界団体も増えている」(IT Design広報)という。誰が生産し、どのような経緯で加工したかといった情報をQRコードとして食品につけることで、消費者は安全を確保できる。ICタグなどに比べて価格が安いが、「食品業界での実用化は進んでいるわけではない」(境野氏)
「買い物をしながらQRコードを読み取るようなユーザーはほとんどいない。ユーザーはQRコードについて、URLを打つ手間が省けるくらいのメリットしか感じていないからだ」(境野氏)。「ユーザーの8割以上がQRコードを利用した経験があるという調査を発表したが、継続的に利用しているヘビーユーザーはまだ一部」(同氏)
企業はQRコードをプロモーションに利用する。だがビジネスとして利益を出すには、ユーザーがQRコードを使う利点をこれまで以上に考える必要がありそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.