「オフライン休暇」を取れるようにするには?ITワーカーのためのリフレッシュ術

「連絡が取れる状態にいなければ……」。たまにはそんな環境から解放されてみたい。IT業界で働いている人でもそれは可能だ。

» 2008年06月07日 06時00分 公開
[Deb Perelman,eWEEK]
eWEEK

 「接続」から解き放たれた休暇とITプロフェッショナルの仕事は、相容れないものであるようだ。

 緊急時の呼び出しに即応しなければならない医療分野やセキュリティ業界などのプロフェッショナルと同様に、ITワーカーにとっては、帰宅後はもちろん、週末や休暇中であっても会社にいるのと同じようなものだ。

 このため、大多数のITプロフェッショナルが「ノートPCやPDAから解放された休暇を何年も取ったことがない」というのも、特に驚くようなことではない。

 しかし、このような状態に異を唱える人もいる。最近では、「常時オンの従業員」というパラダイムからの脱却を求めて意思表示をするワーカーが増えている。休暇中にワイヤレス技術のくびきから自身を解き放つことができるというのは、その人がきちんと仕事をしていることを示す証拠だといえるかもしれない。

 CareerBuilder.comで人事を担当するローズマリー・ヘフナー副社長は「あらかじめ休暇をとる準備をしておけば、上司があなたの組織技術を評価し、仕事から完全に解放された休暇をとることを許可してくれるかもしれない」と話す。

 ワシントンD.C.を拠点とするインターネットマーケティングコンサルタントのエリック・ベーム氏も同じ考えだ。同氏がeWEEKに語ったところによると、以前は休暇中でもよく会社に連絡していたが、今では優秀な人を雇い、彼らに仕事を任せているという。

 「優秀な従業員になりたいのであれば、本当の休暇をとることだ。あなたの携帯電話が通じないこと、あなたが電子メールにアクセスできないこと、そしてあなたがいない間は誰に連絡すればよいのかを社内の全員に知らせること。そして本当の休暇を取るのだ。幸福は従業員を優秀にする」とベーム氏は「Blogging Boss」というブログに書いている。

 しかしこういったことは、「言うややすし行うは難し」である。本当の「オフライン休暇」、すなわち十分に休んで仕事に戻れるような休暇を取れるようにするためのアドバイスを以下に記そう。

1.早い時期に社内に通知する

 あなたが休暇を取ることや、あなたが出席できない会議や行事、誰があなたの業務を代行するかなどを所属部署のスタッフ全員に伝えておけば、月曜日の朝にあなたが出社しなくても、誰も驚かずに済むだろう。

2.適切な時期に休暇を設定する

 大きなプロジェクトや重要な製品リリースのはざまの忙しくない時期に休暇を設定すれば、家族でハイキングしているときに緊急呼び出しをされる可能性が低くなる。

 「クライアントへの提出物の納期は、遅くとも休暇の3日前に設定しておくこと。そうすれば、休暇に入る前に毎晩遅くまで残業しなくても済む」とPRディレクターのエド・リー氏は自身のブログの中で述べている。

3.「オン」タイムを決めておき、同僚にもそれを守ってもらう

 毎日あるいは1週間に一度、会社に連絡する時間を決めておき、その方針を厳守すれば、一緒に旅行している家族も会社で仕事をしている同僚も少しリラックスできるだろう。また、会社に戻ると仕事の山が待ち受けていて、リフレッシュした気分が即座に帳消しになる心配もない。

 医療関連企業のCIO(最高情報責任者)を務めるジョン・ハラムカ氏によると、休暇中では「朝は家族が起床する前、夜は家族が就寝した後に電子メールをチェックするだけにしている」という。

 「こうすればすべての問題を解決することができ、未読の電子メールがたまることもない。会社に戻っても、仕事の山が待っていることはない。素晴らしい休暇とは、気持ちよく仕事に戻れる休みのことをいうのだ。5000通の電子メールと、解決すべき5つの緊急課題が待ち受けているというのは大きな負担になるので、休暇から戻ったときに机の上に仕事がたまっていることのないよう、毎日少しだけ時間を費やすようにしている。こうすることで休暇の心理的コストが減少する」とハラカム氏はブログに記している。

4.留守電メッセージを設定する

 休暇中であることを知らせる留守電や音声メールメッセージを設定するのを忘れる人が多いのには驚く。きちんと準備をしておけば、仕事に戻ったときにあなたが受けるプレッシャーが大幅に減少するだろう。また、あなたに連絡しようとした相手は、あなたが戻るまで待てるような緊急性が低い用事については、メッセージを残しておいてくれるかもしれない。

5.PDAを隠してしまう

 新しい電子メールやメッセージが来ていないかチェックしないではいられない人もいる。必要だからというより、2分おきくらいにチェックするのが習慣になってしまっているのだ。あなたもそういったタイプであれば、宿泊客の「BlackBerry」を預かって施錠してくれるサービスを開始したホテルをお勧めしたい。

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