富士通は、IAサーバの販売を強化し、国内シェア1位を目指すと発表した。
富士通は3月30日、都内で記者発表会を開催し、野副州旦社長がサーバビジネスの主軸を従来のメインフレームやUNIXから、x86系サーバとも呼ぶIA(インテルアーキテクチャ)サーバへ移すことを明らかにした。世界では将来的に台数シェアで10%超の50万台、日本では2010年に30%超のシェア1位を目指す。Fujitsu Siemens Computersとの統合、国内の組織改変などにより、IAサーバの製品開発、販売体制を強化する。
2008年の台数ベースの世界シェアは、1位がHPの35%で274万台、2位がDellの27%、IBMが14%で3位。富士通は4位で4%程度だった。富士通はこれを2010年に7%に引き上げ、将来的に10%超を目指す。
具体的な施策として、Fujitsu Siemens Computersを統合し、Fujitsu Technology Solutionsを4月1日に立ち上げる。これにより、監視ソフトの「Server View」を含め世界で提供する製品を統一する。開発体制も1本化する。主力IAサーバ「PRIMERGY」の開発業務をドイツのFujitsu Technology Solutionsに集約し、製品担当の上級幹部やブレードサーバの開発部隊をドイツへ派遣する考えだ。サーバ生産におけるサプライチェーンも最適化する。部材の調達窓口の1本化、台湾や中国の国際調達部隊も2009年度中に統合する。
一方、2008年の国内の台数ベースのシェアは、NECが26%で1位、HPが24%、デルが17%と続き、富士通14%の4位。これを2010年に30%超の1位にする。
国内シェア1位を目指し、2008年12月にPRIMEQUESTとPRIMERGYの事業部を統合し、IAサーバ事業本部として再編するなど具体的策も既に実施している。2月には、国内販売推進部隊やパートナー支援、技術支援などの3本部を新設のプラットフォームソリューションビジネスグループに集約した。4月には国内の営業体制も強化する。全国の直販営業部隊の中に、プラットフォーム専門営業を設置。加えて、新規パートナーおよび二次販売代理店の開拓専門部隊も立ち上げる。3月26日に発表したマイクロソフトとの協業など「ISVとの提携も増やす」という。
富士通のサーバビジネスは、2004年度がメインフレーム35%、UNIXサーバ31%、IAサーバ35%だったが、06年度には同31%、30%、40%、08年度の予測では31%、27%、42%と、メインフレームやUNIXが下がり、IAサーバの販売比率が高まっている。IBMによるSun Microsystemsの買収交渉が報じられたことで、SunとUNIX系のSolarisサーバを共同開発している富士通の動きに注目が集まっている。
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