十六銀行、顧客管理とCTIのDBを統合――バッチによる利用制限を撤廃邦銀として初

十六銀行は本部で利用するマーケティング用の顧客管理・分析システムとコールセンターで利用するCTIシステムの顧客DBを統合。障害リスク、運用負荷を軽減しつつ、バッチ処理による利用制限を撤廃に成功した。

» 2009年04月14日 14時22分 公開
[ITmedia]

 十六銀行は「Teradataデータベース12.0」を用いた顧客管理用のMCIF(Marketing Customer Information File)データベースシステムを構築し、2月9日より本格稼働させた。4月14日、テラデータが公表した。

 今回の導入により、十六銀行の新MCIFシステムにおいては、本部営業部門などで利用するマーケティング用の顧客管理・分析システムとコールセンターで利用するCTI(Computer Telephony Integration)システムの顧客データベースが統合された。これは日本の銀行としては初の取り組みとなる。日常のコールセンター業務で発生する情報をリアルタイムでデータベースに反映させながら、顧客データの分析や営業戦略の立案ができる。またデータベースの一元化によって、システム構築や運用管理に関するコストが削減される。さらに顧客情報の受け渡しや分散管理が不要となることで、障害リスクを減らしてセキュリティを高められるという。

 新MCIFシステムでは、他システムからのデータ取り込みなどの「バッチ処理」と本部営業部門での「顧客データ分析処理」、コールセンターのオペレーターによる「オンライン処理」という3つの処理プロセスを1つのデータベース上で同時に行なっている。これは、Teradataデータベース独自の動的な混合ワークロード処理機能高速データ処理性能によって実現したものだという。テラデータは、「Teradataユーザーのなかでも非常に先進的な取り組み」と表現している。

 今回のシステムでは、MCIF用のデータベースの一部をCTIのデータ参照領域として解放し、CTIシステムがその領域を通じてMCIFデータベース上の顧客情報を参照することで、データを一元化した。そのため、今後同じ仕組みを利用すれば、CTI以外のシステムとの連携も可能になる。十六銀行では、今後、営業活動を支援する新しいシステムの導入などを検討するという。

 また新システムでは、従来のシステムと比べて大量のデータを高速に処理できるため、バッチ処理のために制限の合ったユーザー使用時間を撤廃し、24時間いつでも利用可能になった。

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