日本HPはミッドレンジストレージの新モデルEVA6400/8400を国内投入するとともに、仮想化ソリューション、アセスメントサービスの強化を発表。ユーザー企業におけるストレージ管理コスト削減を図るという。
日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)は4月15日、ミッドレンジ向けディスクアレイ「HP StorageWorks Enterprise Virtual Array(以下、EVA)」の新モデルとなる「EVA6400/8400」の販売を開始した。あわせてSAN環境を仮想化するソリューション「SAN Virtualization Services Platform(以下、SVSP)」およびEVAをベースにしたアセスメントである「EVA仮想化推進サービス」を発表した。なおEVA6400/8400およびSVSPは、3月10日に米国で発表されたもの。
EVAは、構成した仮想ディスクプールをオンラインで拡張、配置できるHPの特徴的なミッドレンジストレージ。RAIDの再構成などの手間がなく、またストレージ拡張後のパフォーマンスもほぼリニアに伸びるため、サイジングの失敗なども少ない(必要なときに拡張すればよい)。結果として、ユーザーはストレージ管理の負荷やコストを低減できる。
説明に立った日本HPの磯 佐江氏によると、実際にEVAユーザーの多くが自らストレージを管理しており、このことはミッドレンジのSANストレージ製品としては珍しいという。なお米国Edison Groupが2009年2月に公表した調査結果によると、ストレージ管理者の作業負荷を最大49%削減できるという。
EVAの新モデルは、ぞれぞれ従来機種であるEVA6100/8100の後継モデルと位置付けられる。同等構成での製品価格が最大22%引き下げられており、テラバイトあたりの単価も最大28%低減された。新たにSSDがサポートされ、「Tier0」が加わることによる3レベルのストレージ階層管理が可能となる。仮想RAID構成も「Vraid 6」に対応した(従来は0、1、5)。またプロビジョニングの自動化ツール「Dynamic Capacity Management」がLinuxをサポートする。価格はEVA6400が784万3500円からで、EVA8400は1737万7500円から。従来機種との主な機能比較は次のとおり。
製品名 | キャッシュ | ディスク搭載数/最大容量 | ホストポート | ドライブポート |
---|---|---|---|---|
EVA6100 | 4ギガバイト | 112/112テラバイト | 4Gb/s×4 | 2Gb/s×4 |
EVA8100 | 8ギガバイト | 240/240テラバイト | 4Gb/s×8 | 2Gb/s×8 |
EVA6400 | 8ギガバイト | 216/216テラバイト | 4Gb/s×8 | 4Gb/s×8 |
EVA8400 | 22ギガバイト | 324/324テラバイト | 4Gb/s×8 | 4Gb/s×8 |
「SAN環境を仮想化するソリューション」として発表されたSVSPは「SVSPデータパスモジュール2台、管理サーバー2台、SVSP Volume Manager(標準ソフトウェア)5テラバイト分」を最小構成として、アプライアンスの形で提供される。企業内に散らばったDASやSANのストレージアイランドを集約し、単一の論理ストレージとして管理できる。結果として、ハードウェアの枠を超えて容量や性能をスケールアップできるほか、ストレージ間のデータ複製や移行が容易になる。また複数のストレージにまたがったストライピング(データの分散格納)によるパフォーマンス向上や、シンプロビジョニングを利用したストレージ利用率向上を行える。提価格は975万1350円から。
またEVA仮想化推進サービスは、最適なストレージ仮想化を進めるためのアセスメントサービス。一定期間(2週間以上)の調査後、将来のストレージ容量や投資見通しについて日本HPがリポートする。想定システムは「10台以上のサーバ/3テラバイト以上のストレージ」とされ、84万円から提供される。
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