Apple、却下したiPhoneアプリを一転して承認

古代インドの性愛教典「カーマ・スートラ」が読めるという理由で、AppleがiPhone用電子書籍リーダーの販売を不許可にしたが、その決定を覆した。

» 2009年05月26日 12時22分 公開
[ITmedia]

 米Appleが、App Storeでの販売を拒否したiPhone用電子書籍リーダーを一転して承認した。

 問題のiPhoneアプリは、「Eucalyptus」という9.99ドルの電子書籍リーダー。「Project Gutenberg」がネットで公開しているパブリックドメインの作品を検索して読むことができるソフトだ。

 同ソフトの開発者のジェイミー・モンゴメリー氏は5月21日に自身のブログで、EucalyptusがAppleから却下されたことを明らかにした。古代インドの性愛教典「カーマ・スートラ」などをEucalyptusで読めるため、「問題があるコンテンツを含んでいる」と判断されたという。

 同氏は、Eucalyptusは閲覧ソフトであり、書籍は含まれていないと主張し、カーマ・スートラは既にiPhone用Kindleアプリなどで読めると反論したが、Appleは再審査の後、Eucalyptusを販売できないと同氏に連絡してきた。この件は多くのニュースサイトやブログで取り上げられ、話題になった。

 Appleはその後モンゴメリー氏に電話をかけ、「App Storeでの却下をめぐる混乱について話し合った」後、Eucalyptusの販売を承認したと同氏は24日のブログで報告している。

 「アプリを却下された後、App Storeの審査プロセスが開発者にとっていかに苦痛か、Appleの人は誰も分かっていないと思う。彼らが、開発者が多くの時間を投じて作ったものの唯一の流通経路を握っていることに不満を感じる」と、同氏はEucalyptusが却下された際に語っていた。「Appleが独占的な市場シェアを持っていなければ、開発者にもっと友好的に接しなければならなかっただろう」とも。

 App Storeのアプリ承認プロセスをめぐっては、一度承認した「Baby Shaker」アプリを抗議を受けて削除するなど、一部で混乱が起きている。

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