「iPadにはiPhoneほどの衝撃はない」とビル・ゲイツ氏

iPadを見ても「あれを作ったのがMicrosoftだったらよかったのに」と思うようなところはない――ビル・ゲイツ氏はこう語っている。

» 2010年02月17日 11時37分 公開
[Nicholas Kolakowski,eWEEK]
eWEEK

 親愛なるスティーブ・ジョブズ氏へ。ビル・ゲイツ氏は貴公の最新のすてきなオモチャ「iPad」に感動していないようだ。

 Bnetのブレント・シュレンダー氏によるとそういうことらしい。同氏は2月10日の記事で、元Microsoft CEOのゲイツ氏のAppleの最新デバイスについてのコメントを伝えた。

 「わたしはタッチ操作と電子書籍の可能性を大いに信じているが、今でも音声、ペン、ハードウェアキーボードを統合したもの――つまりはNetbook――がその主流になると考えている」とゲイツ氏はシュレンダー氏に語ったという。「だからiPadに対しては、iPhoneが登場したときのように、『なんてことだ。Microsoftの目標は十分に高くはなかった』とは感じていない。iPadはいい電子書籍リーダーだが、『あれを作ったのがMicrosoftだったらよかったのに』と思うようなところはない」

 もっとも、わたしがこの前調べたときには、Microsoftも既に、iPadと似たフォームファクターで、ペンもハードウェアキーボードもないタブレットPCにハードメーカーとともに取り組んでいたようだ。具体的に思い浮かぶのが、Microsoftのスティーブ・バルマーCEOが1月6日にラスベガスのConsumer Electronics Showで披露したHewlett-Packard(HP)のタブレットだ(Microsoftはこのデバイスのスペックを秘密にしているが、写真はeWEEKの記事で見ることができる)。

 MicrosoftのソフトはPegatronやArchosのタブレットPCでも動作する。ほかのメーカーも独自デザインを発表する用意をしており、今後数カ月でタブレット市場が急拡大すれば製造に入ると確信している。

 問題は、タブレットは爆発的に成長するのか、ということだ。1月27日にiPadがサンフランシスコでデビューする前、Appleの最新デバイスに関する話題は盛り上がり、タブレットが究極の「次の重要技術」になると思えるほどだった。実際に発表された後、iPadはがんも治せないし地球温暖化も解決できないことが明らかになり、いささかがっかりした空気があった。皆、「え、それだけ?」と思っているようだ。

 iPadは多くの新しもの好きが購入するだろう(Appleストアの前には発売前日から長い行列ができるだろう)が、長期的に売り上げが減っていけば、「a)タブレットPCは結局、専門家向けのニッチな製品だ、というこれまでの意見が正しかったと再確認」され、「b)デバイスにおける機械による入力(つまりハードウェアキーボード)の重要性は、スマートフォンにおけるそれよりも大きい」ことになる。

 そうなった場合、ゲイツ氏のコメントは正しかったということになる。だがそれは、HPのタブレットなど、AppleがタブレットPCを大衆化するだろうという前提に便乗して投入された製品が大コケする可能性も高いということだ。

 皆さんはどう思うだろうか?

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