メールによる関係の悪化を防ぐ方法ビジネスマンの不死身力(2/2 ページ)

» 2010年04月24日 08時30分 公開
[竹内義晴,ITmedia]
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電子メールで誤解を生まない方法

 電子メールで誤解が生まれるのは、多くの場合、やりとりの内容がネガティブである時だ。そこで、ネガティブな電子メールを送信する時に、わたしが意識している方法を紹介しよう。

「電子メールは誤解を招きやすい」という前提で使う

 電子メールは誤解を招きやすいという前提があるだけで、送信する時の心構えが違ってくる。相手が誤解を抱きそうな点はできるだけ具体的に記述したり、ネガティブな内容を避けるために、冒頭にねぎらいや感謝の言葉、期待している気持ちを意識的に書き添えるといったことに、注意を払えるようになるはずだ。

感情的になっている時は、しばらく時間を置く

 電子メールを読んで感情的になった時は、少し時間を置いてみよう。すぐに返信すると感情任せの文面になってしまう恐れがあり、誤解が生じやすい。時間を置くことで、気持ちも落ち着いてくる。また、相手からの電子メールを冷静に読み直すことで、相手が本当に伝えたかった内容に気付くこともある。

ネガティブな電子メールを本人以外に送らない

 チームで仕事をしていると、「ほかの人にも状況を知らせたい」「相手にプレッシャーを掛けたい」という気持ちが働き、ネガティブな内容の電子メールをほかの仲間にCC(カーボンコピー)で送りがちだ。だが、情報が不足している電子メールは、さらなる誤解や人間関係の悪化を招く恐れがあるので、避けておこう。

 電子メールのやりとりで誤解が生じ始めたら、電話や対面によるコミュニケーションに切り替えることを検討しよう。実際に話をすることで、実はささいな意見の食い違いだったと分かるのはよくあることだ。

「You are OK, I am OK」を意識する

 自分の意見を訴えたい時は、「あなたの意見は間違っています。わたしの意見は○○です(You are not OK, I am OK)」という表現になりがちだ。相手の言いたいことを否定して自分の意見を主張するのは、新たな誤解を生みやすい。

 人の意見は千差万別だ。そこで、「あなたの意見は○○なのですね。わたしの意見は○○です(You are OK, I am OK)」という表現を意識的に使ってみよう。相手の考えに理解を示した上で、自分の主張をする。誤解を防ぎながら、自分の主張を伝えることができるだろう。相手の言いたいことを考えることで、主張にも一理あると気付く場合もある。


 一度に多数の人に配信でき、情報の伝達時間も短縮できる電子メールは、仕事に大きなメリットをもたらす。その半面、誤解が生じた時の影響も大きくなってしまう。

 もしあなたの電子メールにネガティブな内容が含まれているのなら、それを少し意識して見直してみよう。こうした気遣いは、意見の食い違いによる誤解を防ぎ、相手と意思疎通を図ることにつながっていく。

著者プロフィール:竹内義晴(たけうちよしはる)

 竹内義晴

テイクウェーブ代表。ビジネスコーチ、人財育成コンサルタント。自動車メーカー勤務、ソフトウェア開発エンジニア、同管理職を経て、現職。エンジニア時代に仕事の過大なプレッシャーを受け、仕事や自分の在り方を模索し始める。管理職となり、自分が辛かった経験から「どうしたら、ワクワク働ける職場が作れるのか?」と悩んだ末、コーチングや心理学を学ぶ。ちょっとした会話の工夫によって、周りの仲間が明るくなり、自分自身も変わっていくことを実感。その体験を基に、Webや新聞などで幅広い執筆活動を行っている。アイティメディア「オルタナティブ・ブログ」の「竹内義晴の、しごとのみらい」で、組織作りやコミュニケーション、個人のライフワークについて執筆中。著書に『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』がある。




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