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» 2010年05月01日 09時00分 公開

「IT人材白書2010」にみる業界動向:ベンダーの人材に過剰感、ユーザー企業は慢性的な人材不足 (2/2)

[國谷武史,ITmedia]
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オフショア先を使い分ける

 オフショア開発の状況について、相手国先は中国が2年連続でトップだった。2位はベトナム、3位はインドで、前年と順位が逆転した。

 主要4カ国(中国、ベトナム、インド、フィリピン)におけるオフショア開発の目的では、「開発コストの削減」が4カ国すべてで最多を占めた。国別にみると、中国では「国内で不足している人材の確保」「海外市場の開拓」「受注総量の拡大を図るため」、インドでは「海外の高い技術力の活用」「ビジネスのグローバル化への対応」、ベトナムでは「海外市場の開拓」「受注総量の拡大を図るため」、フィリピンでは「国内で不足している人材の確保」「ビジネスのグローバル化への対応」という理由が目立つ。

オフショア開発発注先相手国の実績(出典:IPA)

 これらについてIPAは、「中国やベトナムを業務委託先だけでなく市場としても意識する企業が増えたようだ」と分析している。インドに対しては高度な開発力や英語によるビジネス対応力を評価し、フィリピンには労働力やグローバルなビジネス対応を求めていると推測される。企業が目的に応じてオフショア先の国を使い分けている実態があるようだ。

主要なオフショア開発相手国別に見た目的(同、クリックで拡大)

 オフショア活用の意向について、委託した実績を持つ企業の大半が「現在より拡大したい」「現在と同規模で継続したい」と回答した。しかし実績のない企業では、従業員1000人以下の企業の8割以上が「当面実施の予定はない」と答えていた。

 オフショア開発が事業に与える影響については、全体的に単価水準の低下を挙げる回答が目立った。従業員1001人上の企業の57.6%が「開発コストの削減に成功」と答える一方、101〜300人の企業の61.1%が「下流工程の競争激化により、上流工程へのシフトが必要」と答えた。100人以下の企業の65.2%は「競合先の増加で受注が難しくなった」と答えており、企業規模によってオフショア開発による事業への影響が異なる実態が分かった。

 ベンダーを対象にした産業変化の予測については、「SaaSやクラウドがビジネスを変える」「国内ベンダー間の競争激化」「海外ベンダーとの競争激化」「高度なスキルが求められる」「情報システムへより高い信頼性が求められる」などの回答が目立った。

ベンダーにおける産業変化の予測(同、クリックで拡大)

 ベンダーにおいて、製品販売からサービス販売というビジネスモデルの変化、それに伴う国内外での競争激化を意識する傾向が明らかになった。

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